【2020年6月5日 パナマシティ発】
ユニセフ(国連児童基金)がラテンアメリカとカリブ海地域の若者を対象に最近行った調査によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がどのように感染するかという質問に対し、すべて正しい回答をした若者は3分の1に留まりました。
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さらに憂慮されるのは、調査対象となった若者1万500人の約3分の1は、自分はCOVID-19に感染するリスクがないと考えていることです。現在、南米はパンデミックの新たな震源地と見なされているにも関わらず、国のCOVID-19に関する情報サイトを知っているのは回答者の半数未満です。
「パンデミックについての情報が得られなければ、若者たちとその家族の命が危険にさらされます」と、ユニセフ・ ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表のバーント・アーセンは述べました。「しかし、誤った情報を与えられた若者が非難されるべきではありません。今回の調査結果によって、この地域の若者、特にデジタルプラットフォームへのアクセスが十分にない人々に適切な情報を提供することの重要性と緊急性が浮き彫りになりました」
ラテンアメリカとカリブ海地域の31カ国で携帯電話のSMSを通じて実施された今回の調査によって、COVID-19の症状、予防、および感染に関する知識が不足していることが明らかになりました。ウイルスについて多少は知っていると回答した若者は、44パーセントに留まっています。
「若者がCOVID-19にさらされると、感染しまた感染させる可能性が高まります。スクリーニング、検査、封じ込め、ケアに関する国のガイドラインに厳密に従い、社会的距離を保たなければなりません」とトリニダード・トバゴの22歳の女性は書きました。
© UNICEF Eastern Caribbean |
COVID-19に関する主要な情報源について、回答者全体の40パーセント以上がテレビや新聞といった従来のメディアを挙げており、21パーセントがソーシャルメディアを、10パーセントがインスタントメッセージを選択しています。
良い結果として、若者の回答者の約95パーセントは、パンデミックと闘うために行動しなければならないと述べている一方で、約半数の若者は、自身のコミュニティはCOVID-19に対処する準備が十分にできていないと考えています。
ブラジルの17歳の女性は、こう書いています。「すべての若者、10代、そして子どもたちは、家にいて定期的に手を洗い、政府からの話を真剣に受けとめましょう。私たちは困難な時期を経験しています。多くの苦痛がありますが、他の人々の生活を守ることも私たちの責任であることを忘れてはいけません。健康と安全を守りましょう」
機密性が高く無償で利用できる携帯電話のプラットフォームであるユニセフのU-Reportを通じたこの調査によって、パンデミックをめぐる若者たちの知識や考えが明らかになりました。
ホンジュラスの17歳の少年は、「恐れたり、どう克服するか心配したりするのは普通のことです」と語りました。「協力することで、乗り越えられると思います」
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「これからの数週間、若者たちを巻き込むことが、この地域におけるパンデミックとの闘いの転換点となるでしょう」とバーント・アーセンは述べました。「信頼できる情報に若者たちがアクセスできるようにするだけでなく、COVID-19を問題と感じるのではなく自分たちが解決への一端を担えることであると感じられるよう、若者たちに訴えることが重要です」
ユニセフは、他の国連機関、NGO、民間セクターとともに、ラテンアメリカとカリブ海地域の国々において、若者たちが使用するデジタルプラットフォームとオフラインプラットフォームを組み合わせて、若い世代と協働する政府の取り組みを支援しています。
また、ユニセフは、伝統的なメディア、ソーシャルメディア、携帯電話の事業者に対し、COVID-19に関する取り組みを促進し、ラテンアメリカとカリブ海地域の若者の間で誤った情報が広がらないようにするためのさらなる協力を求めています。
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