【2020年12月18日 ニューヨーク発】
移民・難民、避難民の子どもたちの大部分は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにおける各国の対応・復興計画の対象から除外されており、不可欠なサービスやケアへのアクセスが大幅に減少していると、ユニセフ(国連児童基金)は本日述べました。これは、ユニセフが活動する159カ国を対象とした最近の調査で収集されたデータに基づいています。
© UNICEF/UNI342637/Panjwani |
世界に2億7,200万人いると推定される移民・難民のうち、3,300万人が子どもで、それには1,260万人の難民と150万人の難民申請者が含まれます。また世界では、2,150万人の子どもたちが、紛争、暴力、災害によって国内避難民となっています。
12月18日の「国際移住者デー」に、ユニセフは各国政府に対し、移民・難民、国内避難民を含むすべての厳しい状況の子どもたちが、その状況にかかわらず、パンデミックへの対応・復興活動の中で優先され、質の高い保護、保健医療、水と衛生、教育サービスを受けられるよう求めています。
「この調査結果は、最も脆弱な立場に置かれた子どもたちが取り残され、パンデミックの影響に自分の力だけで立ち向かわなければならなくなっていることを示す警告です」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「適切なタイミングで適切な支援を受けられれば、移動する子どもたちは、新しい居住地で才能を発揮し、各国のパンデミックからの回復に貢献することができます。ユニセフは、こうした子どもたちへの投資を増やすことを呼びかけ、各国政府と協力し、移動が子どもたちにもたらす利益を実現する準備ができています」
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サービスの低下が顕著な国の中には、紛争や災害などの危機が続いていて、移動する子どもたちの保健医療、清潔な水、十分な衛生設備へのアクセスにすでに課題のある国もあります。ユニセフの調査によると、
調査データより、移民・難民、避難民の子どもたちが社会や経済面での対応や復興対応の一環として手を差し伸べられていないことが明らかになっています。例えば、以下のような状況です。
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ユニセフはまた、移動する子どもたちへの否定的な見解や敵意が増えていることを懸念しています。これは、COVID-19のもたらした社会経済危機が悪化し、何百万人もの移民・難民が失業率の高い国に帰国するにつれて、その傾向が強まると予想されています。
ユニセフはパートナーと協力し、移民・難民や国内避難民がパンデミックとその深刻な社会経済的影響から身を守ることができるよう支援しています。これには、COVID-19と衛生習慣に関する正確で子どもにやさしい情報を、子どもたちが理解できる言語で提供すること、どこであっても衛生環境の整備と水の供給を確保すること、教育、保健、栄養、子どもの保護サービスへの継続的なアクセスを保証する取り組みの中で、移民・難民や避難民の子どもたちが取り残されないようにすることが含まれます。
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