【2021年7月27日 ジュネーブ発】
世界各地で学校閉鎖が続いている影響について、国連の定例記者会見においてユニセフ(国連児童基金)広報官のジェイムス・エルダーが報告した概要は下記の通りです。
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© UNICEF/UN0423792/Chris Farber/UNICEF via Getty Images |
北半球の学校が夏休みに入っている一方で、本来は休みではない国々においても続く学校閉鎖によって、いまだに6億人以上の子どもたちが影響を受けています。
アジア・太平洋地域では、ほぼ半数の国で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に200日以上も学校が閉鎖されています。
ラテンアメリカ・カリブ海地域では、過去最長の休校期間を経て、一部は再開したものの、18の国と地域ではまだ閉鎖、または一部閉鎖されています。
また、最新の推計によると、驚くべきことに東部・南部アフリカでは、学校に通うべき子どもたちの40%が学校に通っていません。10人に4人です。
この地域では、最近のCOVID-19の急増により、年の途中で学校が再閉鎖されるケースが見られ、学校閉鎖や、再開しても戻ってこられなかったために、3,200万人以上の子どもたちが学校に通っていない状況であると推定されています。これに加えて、パンデミック以前から学校に通っていなかった子どもたちが3,700万人いるとみられます。
© UNICEF/UN0473536/Mulala |
教育、安全、友人、食料が、不安、暴力、10代の妊娠に取って代わられているのです。
ウガンダを例にとると、昨年3月から今年6月までの間に、10〜24歳の若者の妊娠が20%以上増加しています。子どものヘルプライン(電話相談)は、3桁の増加を見せています。
そして、世界の少なくとも3分の1の子どもたちにとって、遠隔学習は手の届かないものとなっています。ユニセフの推計によると、東アジア・太平洋地域では8,000万人以上の子どもたちが学校閉鎖中に遠隔学習を受けることができませんでした。東部・南部アフリカでは、ウガンダの場合学校閉鎖日数が306日で、家庭でのインターネット接続率が0.3%と最も低く、次いで南スーダンの学校閉鎖日数が231日で、こちらも家庭でのインターネット接続率0.5%以下となっています。
© UNICEF/UN0486734/Fernando León |
南アフリカ共和国では、学校が閉鎖されたことにより、過去16カ月間で40万人から50万人の子どもたちが退学したと報告されています。
世界銀行の報告書によると、長期的に見たときこの世代の子どもたちは10兆ドルもの収入を失うと推計されています。
世界中の指導者たちが、難しい選択をしばしば迫られていることは認識していますが、学校は最後に閉鎖され、最初に再開されるべきです。学校は、感染拡大の主な要因ではありません。子どもたちや若者が学校に行かないことで被る損失は、2度と取り戻せないかもしれないのです。
© UNICEF/UN0474036/Ijazah |
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