2022年4月18日サヌア(イエメン)発
サヌア当局は本日、イエメンにおける武力紛争に関連して、子どもを保護し、子どもに対する重大な権利侵害を防止するための国連との行動計画に署名しました。
子どもの徴用・利用禁止
同行動計画は、サヌア当局と関連部隊が、支援的な役割を含め、武力紛争における子どもの徴用・利用の禁止を遵守する内容となっています。また、6カ月以内に、部隊に所属する18歳未満の子どもたち全員の身元を特定し、彼らを解放した上で、地域社会への復帰を促すよう当局に求めています。また、子どもの殺傷防止や、保健・教育施設とその職員の保護に関する規定も盛り込まれています。
そして、サヌア当局に対し、イエメンの国連子どもの権利侵害調査・報告カントリー・タスクフォース (CTFMR)と緊密に連携し、かつ関連する国連機関や部局、国際社会または地元の市民社会パートナー、さらには子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表事務所と協力して、その条項と活動を実施するよう求めています。
ユニセフ・イエメン事務所代表のフィリップ・ドゥアメルは、「行動計画への署名は、紛争によって悲惨な生活を強いられているイエメンの子どもの保護において、重要な節目となります。私たちは、イエメンの子どもの保護と福祉のため、行動計画が完全に実施され、かつ、あらゆる当事者との協力が継続されることを期待しています」と述べました。
イエメンに永続的な和平を
同行動計画は、紛争という状況下で、すべての子どもをより効果的に保護するための予防策と改善策を確立し、かつ実施するための枠組みを定めたものです。また、「子どもと武力紛争」アジェンダの重要なツールでもあります。このアジェンダは、子どもに対する重大な権利侵害を終わらせ、かつ防止するために、子どもと武力紛争に関する国連事務総長の年次報告に記載されているすべての紛争の当事者に、国連の各現地事務所が関与することを義務付けています。
子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表のバージニア・ガンバ氏は、「この行動計画をもって、イエメンの武力紛争に関わるすべての主要な当事者は、子どもに対する重大な権利侵害を終わらせ、かつ防止するためのコミットメントを通じて、国連と連携することになります。この停戦の瞬間、すべての当事者が、イエメンの永続的な和平を実現するための交渉プロセスに、誠実に関わることが重要です。結局は、和平こそが、イエメンの子どもに対する重大な権利侵害を防ぐ最善の方法なのです」と、述べました。