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日本ユニセフ協会

人道危機緊急募金情報

アフガニスタン女子教育禁止、1,000日に
30億時間相当の喪失
ユニセフ事務局長「直ちに学習の再開を」

2024年6月13日ニューヨーク

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、アフガニスタンで女子中等教育が禁止されて1,000日となることを受けて、以下の声明を発表しました。

中等学校への通学禁止から1000日

通学が禁止されてから3年が経つ中、自宅で家事をしながら英語の勉強を続ける16歳のザイナブさん(仮名)。「結婚した同級生の女の子もいます」と話す。(アフガニスタン、2024年6月8日撮影)

© UNICEF/UNI590562/Meerzad
通学が禁止されてから3年が経つ中、自宅で家事をしながら英語の勉強を続ける16歳のザイナブさん(仮名)。「結婚した同級生の女の子もいます」と話す。(アフガニスタン、2024年6月8日撮影)

本日、アフガニスタンの女の子の中等学校への通学を禁止する発表から1,000日が経ち、悲しく沈痛な節目を迎えることとなりました。

1,000日間学校へ通えないということは、30億時間の学習時間の損失に相当します。

150万人の女の子にとって、この組織的な排除は、教育を受ける権利の明白な侵害であるだけでなく、機会が狭められることやメンタルヘルスを損なうことにつながります。

子ども、とりわけ女の子の権利を政治の交渉の道具にすることはできません。彼女たちの人生、未来、希望、夢が懸かっているのです。

禁止措置の影響を受けるのは女の子自身にとどまりません。それは、今起きている人道危機を悪化させ、アフガニスタンの経済と発展の道筋に深刻な影響を及ぼします。

教育が女の子にもたらすもの

小学校卒業後、学校に通えない13歳のフェルザナさん(仮名)。「男の子が通学しているのを見るたび、悲しい気持ちになります」と話す。(アフガニスタン、2024年6月津8日撮影)

© UNICEF/UNI590559/Meerzad
小学校卒業後、学校に通えない13歳のフェルザナさん(仮名)。「男の子が通学しているのを見るたび、悲しい気持ちになります」と話す。(アフガニスタン、2024年6月8日撮影)

教育は機会をもたらすだけではありません。教育は、女の子たちを早婚や栄養不良などの健康問題から守り、アフガニスタンで頻繁に起こる洪水や干ばつ、地震などの自然災害に対する彼女たちのレジリエンスを高めます。[*1]

ユニセフの同僚たちは、アフガニスタンのすべての子どもを支援する活動を懸命に行っています。私たちはパートナーと共に、270万人の子どもに初等教育を受けさせ、60万人の子ども-その3分の2が女の子-のためにコミュニティを基盤とした学習クラスを運営し、教員を養成し、教育インフラを維持するためにできる限りのことをしています。

この重苦しい節目を迎えるにあたり、私は事実上の当局に対し、すべての子どもが直ちに学習を再開できるようにすることを強く求めます。そして国際社会に対し、これまで以上に私たちを必要としている女の子たちへの関与を続け、彼女たちを支援し続けるよう強く求めます。人口の半分が取り残されたままでは、いかなる国も前に進むことはできません。

[*1]ユニセフの複数指標クラスター調査(MICS)の直近の世帯データによれば、女の子の教育水準が高ければ高いほど、彼女自身とその子どもの生存と成長のチャンスが高まることが明らかになっています。

注記

ユニセフは、2023年にアフガニスタンで以下のような支援を行いました。

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