2024年10月18日ベイルート(レバノン)発
レバノンの北部アッカール県でコレラの症例が確認されたことを受け、ユニセフ(国連児童基金)はレバノン保健省およびその他のパートナーと共に、緊急のコレラ対応を開始しました。
ユニセフ、緊急のコレラ対応を開始
子どもたちと家族が、安全な水や衛生用品を入手し、衛生的な設備を利用できるよう、複数の支援分野を連携させたマルチセクター対応が、10月16日に特にコレラ流行のリスクが高い地域で開始されました。ユニセフが行った支援は以下のとおりです。
- 浄水剤、消毒キット、家庭用衛生用品キット、ボトル入りの水などの重要な支援物資を配布。
- 非公式居住区の貯水タンクの消毒、および、浄化槽の汚泥除去の作業頻度を増加。
- 水処理作業を増強するために北レバノン県水公社に塩素の追加備蓄を提供。水事業の継続のため、主要な装置、予備部品、修理部品、燃料、その他の消耗品の確実な供給を維持。
- 水公社に水質検査に必要な資材を提供。
ユニセフはまた、経口補水塩(ORS)を含む緊急医療キットを100セットと、保健医療に関する物資を22セット調達しました。中度および重度の下痢症などコレラの症例や症状に対する治療・管理約6,000件分をサポートできるこれらの物資は、指定された公立病院にあらかじめ配備される予定です。
ユニセフ・レバノン事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデルは、次のように述べています。「ユニセフは、レバノンのすべての子どもと家族をコレラの流行から守るため、同国保健省の準備や予防、対応措置を支援するべく可能な限りの取り組みを進めています」
リスクにさらされる幼い子どもたち
武力衝突は、水と衛生サービスに打撃を与え、中断し、負荷をかけています。特に過密状態の避難場所やキャンプでは、安全な水や適切な衛生設備へのアクセスが限られているため、コレラ流行拡大のリスクが高まっています。特に5歳未満の幼い子どもたち、予防接種を受けたことのない子どもたち、栄養不良に苦しむ子どもたちは、リスクが高い状態にあります。
ユニセフは現地で、訓練を受けた最前線で働く人々やパートナー(知事や市長、地域保健員など)と協力し、子どもたちとその家族に感染症の予防や症状がある場合の対処方法を伝え、適切な衛生習慣の普及に取り組んでいます。
「レバノンでの戦争はすでに子どもたちを重大な危険にさらしており、今やコレラをはじめとする感染症が新たなリスクとして浮上しています。子どもたちが傷を負うことなく命を守られ、現地で深刻化する人道的危機を食い止め、そして基本的なサービスが適切に機能するために、何よりも必要なのは停戦なのです」(ベイグベデル代表)