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財団法人日本ユニセフ協会
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UNITE FOR CHILDREN UNITE AGAINST AIDS

 

ケニア:エイズに対する偏見が、孤児の命を奪う

【2006年4月21日、ニューヨーク発】

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©UNICEF/HQ96-0601/Wahihia

エイズとともに生きていた15歳の孤児の少年の命が奪われました。HIV/エイズに対する偏見が原因です。彼の死をきっかけに、何百人という人々がケニアの首都ナイロビの街頭に繰り出し、抗議の声を上げました。その少年はイザイア・ガクヨ。彼は母親と祖母をエイズ関連の病気で亡くし、その後はおじさんと一緒に住んでいましたが、HIVに感染していることから、おじさんにフォークで突き刺され、殺されたといわれています。

この事件は、ケニアだけでなく世界中にいるHIV/エイズとともに生きる人々、特に、もっとも弱い立場に置かれている子どもたちや孤児が直面している偏見や差別をありありと物語っています。

「HIV/エイズとともに生きる子どもに対する偏見について語られることはまったくありません」ユニセフ・ケニア事務所のサラ・キャメロン広報官は述べました。「ケニアの子どもたちと話をしたとき、石を投げられたことや、先生に差別的な扱いを受けたことがあると語りました。そうした子どもたちはまた、学校もやめてしまいます。周囲から疎まれていると感じたり、悪口を言われたりするからです」

「子どもたちを苦しめるのは、他人だけではありません。血のつながった実の家族からさえ、子どもたちは被害を受けているのです。そしてそれは、このケニアだけではなく、ほかの地域でも往々にして起こっています」

ケニアにいる1,500万人の子どものうち、10%を超える子どもが孤児です。また、推定で65万の子どもたちがHIV/エイズで親を亡くしています。

孤児たちはたいていの場合、子どもを養うだけの余裕がある親類の家に引き取られます。イザイアは、HIVという命を奪うウィルスとともに生きるほかの子どもたちと同じように、引き取られた家でひどい扱いを受けていたといわれています。たとえば、食器や生活用品は家族とは別のものを使うようにおじさんに強いられていました。

ケニア警察はイザイアの命を奪った犯人を追っていると述べていますが、人々は、この事件だけでなく同様の事件でも当局が十分な対応をとらず、沈黙を続けていると抗議の声を上げています。

キャメロン広報官は、イザイアの死後に沸き起こった抗議の波を「これまでにない」ものと呼んでいます。「『子どもに対する暴力に“NO”を! このような愚劣な行為に終止符を!』今まで、こんな声を上げて街頭に繰り出した人々が世界のどこにいたでしょうか?」

子どもへの暴力に反対するキャンペーン

ユニセフは、ケニアにおけるHIV/エイズの予防と治療のため精力的に活動しており、また、政策議論に対して助言をしたり、政府の活動を支援するプログラムを実施しています。同国で30年以上の活動実績があるユニセフは、保健、栄養、教育、水と衛生、子どもの保護など、多岐にわたる分野で豊富な経験があります。ユニセフはこの経験にもとづいて、HIVの影響を受けている子どものニーズに包括的に対応するための、総合プログラムを実施しています。

その対応策の一環として、ユニセフ・ケニア事務所は、家族や自分自身がHIVに感染しているために偏見を受けている子どもたちを含む、子どもに対する暴力の問題に焦点を当てたキャンペーンを始める準備を進めています。

「このキャンペーンのスローガンは、『子どもたちのために立ち上がろう』です」キャメロン広報官は言います。「ケニア全土の人々がこのスローガンのもとに結集し、自分たちのコミュニティの中で暴力が起こることのないよう、はっきりとした態度を示し、そして行動を起こしてほしいと思います」

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