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復興が進む宮城県石巻市に
新しい学校給食センターが完成

【2016年8月18日  石巻市発】

復興が進む宮城県石巻市に、新しい学校給食センターが完成しました。

給食再開への道のり

徹底した衛生管理の仕組みが施された新しい給食センターには、通常の調理室とは別に、石巻市では初めてとなる食物アレルギーを持つ児童・生徒のための給食専用の調理室も設けられました。

© 日本ユニセフ協会

徹底した衛生管理の仕組みが施された新しい給食センターには、通常の調理室とは別に、石巻市では初めてとなる食物アレルギーを持つ児童・生徒のための給食専用の調理室も設けられました。

東日本大震災の地震と大津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市。教育関係への被害は、学校校舎のみならず、60を超える市内の小・中学校に給食を提供する給食センターにも及びました。市内6か所にあった給食センターのうち、3か所が大きな被害を受け、特に沿岸部の渡波給食センターと湊学校給食センターでは、設備も流出してしまう大きな被害となりました。

震災から3カ月後の6月、石巻市は、被災を免れた3か所の給食センターをフル稼働させ、学校給食を再開させましたが、調理も食器の洗浄もままならず、レトルト食品を温めただけの給食を提供するのが精一杯でした。その後、被害を受けた3か所のうち1か所の給食センターの修繕が行われ調理活動も再開されましたが、2011年9月までは「主食+おかず1品」、同年10月に「主食+おかず2品」出せるようになったものの、2011年度中は、「主食+汁物+おかず2品」の本来の給食の形を取り戻すことは叶いませんでした。また、洗浄の機能が失われていたため、食器は、毎日子どもたちに家庭に持ち帰って洗浄してもらわなければなりませんでした。

こうした状況を少しでも改善するため、2011年末、石巻市の要請を受けた日本ユニセフ協会は、市内全小中学校生徒15,000名分の給食食器と、給食センター3か所への食器洗浄機や消毒保管庫などの設備の提供を準備。これとほぼ同時期に、隣接する東松島市から石巻市が譲り受けた給食センターの稼働も始まり、2012年4月9日の新学期初日から、市内全ての小中学校で、震災前とほぼ同じ内容の給食が提供できるようになりました。

新しい給食センターが完成

学校給食再開のために食器洗浄機などと合わせ、皆様のご支援で石巻市に提供された給食用食器。以来4年半にわたり、石巻市の全小中学生約15,000人の給食を支えてきました。

© 日本ユニセフ協会

学校給食再開のために食器洗浄機などと合わせ、皆様のご支援で石巻市に提供された給食用食器。以来4年半にわたり、石巻市の全小中学生約15,000人の給食を支えてきました。

みなさまのご支援と石巻のみなさまの努力で「完全給食」が再開されて4年半。今年8月、被災した渡波学校給食センターと湊学校給食センターの代替施設として市が整備した石巻市東学校給食センターが、市内の湊地区に完成しました。老朽化のため解体された東松島から譲り受けた給食センターの機能も吸収した新しい給食センターからは、この2学期から、市内の小学校16校と中学校9校の生徒計約7,000人に給食が届けられます。

徹底した衛生管理の仕組みが施された新しい給食センターには、防災備蓄倉庫や、石巻市では初めてとなる食物アレルギーを持つ児童・生徒のための給食専用の調理室が通常の調理室とは別に設けられるなど、震災の教訓や新たな教育の取り組みに対応するための工夫が取り込まれています。また、2012年4月の「完全給食」再開後も設備が十分でなかったために調理できなかった「冷食」と呼ばれるサラダやおひたしなども提供できるようになります。

新しい門出をお祝い

開所式の後の試食会で出された名物「石巻焼きそば」の給食。新給食センターの稼働とほぼ同じタイミングで更新時期を迎え“引退”し始めたユニセフロゴ入りの食器の “後任”に用意された食器には、石巻のキャラクター“いしぴょんず”が描かれています。

© 日本ユニセフ協会

開所式の後の試食会で出された名物「石巻焼きそば」の給食。新給食センターの稼働とほぼ同じタイミングで更新時期を迎え“引退”し始めたユニセフロゴ入りの食器の “後任”に用意された食器には、石巻のキャラクター“いしぴょんず”が描かれています。

亀山紘石巻市長も参加して8月17日に開催された「開所式」では、参加者がコッペパンと焼きそば、目玉焼き、海草スープ、ゼリー、牛乳の献立の給食を試食。コッペパンの切り込みに焼きそばと目玉焼きを挟んで作った地元名物の「石巻焼きそば」パンの給食を楽しみながら、新しい給食センターの門出をお祝いしました。

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