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日本ユニセフ協会
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岩手県沿岸部でも
根付きはじめたCAP

【2016年10月1日  岩手県山田町発】

日本ユニセフ協会は、緊急・復興支援の一環として、CAP(キャップ)と呼ばれる子ども自身が様々な形態の暴力から自らの心と身体を守る術と知識を学ぶ機会を提供する教育プログラムを被災3県でサポートしてまいりました。震災の年から続けてきたサポートが本年末で終了するにあたり、10月1日(土)午後、岩手県内でCAPの推進・運営に携わっていらっしゃる方々が山田町に集まり、今後の事業の進め方や協力体制の在り方などについて意見や情報を交換されました。

岩手県沿岸部での開催、地元の方の努力で

10月1日(土)午後、岩手県内でCAPの推進・運営に携わっていらっしゃる方々が山田町に集まり、今後の事業の進め方や協力体制の在り方などについて意見や情報を交換されました。

© J-CAPTA

10月1日(土)午後、岩手県内でCAPの推進・運営に携わっていらっしゃる方々が山田町に集まり、今後の事業の進め方や協力体制の在り方などについて意見や情報を交換されました。

町役場に隣接する保健福祉センターで開かれた会合には、当協会のパートナー団体として本事業を推進してくださったJ-CAPTA(北海道札幌市)チーフディレクターの木村里美さんの他、県内各地でCAPを運営されているCAP岩手や、震災後、沿岸部でCAPを普及するために発足したCAPリアスのメンバーなどが参加。直近の活動の報告や、今後の活動を維持・発展させてゆくための各種助成金等の利用に関する情報や意見の交換のほか、県内外の関係者や関係団体とのネットワークづくりや協力体制の構築に関しても、情報や意見が交わされました。

この会合のひと月前、岩手県は、大型台風の直撃を受けました。岩泉の惨状は全国的にも大きく伝えられましたが、被害は東日本大震災の被災地にも及び、会合の話題は、台風10号が残した大きな爪痕にも及びました。

「宮古や山田の一部地域も、大きな被害を受けました。震災で津波被害にあった人たちは、震災から6年経ったにも関わらず(今回の台風で)トラウマが戻ってきたと訴える人もいます。水没した車から夜通し警笛音が鳴っていたことで、気持ちが落ち着かなくなった方も居るようです」(CAPリアスメンバー)

盛岡と沿岸部の宮古市を結ぶ国道106号線でも、川が氾濫し道路も冠水。盛岡と宮古の往来は、一時、釜石を経由しなければならない状態が続きました。洪水で流された車が川辺に残され、橋が壊れたために対岸に渡れなくなった地域もあり、今も復旧工事中が続いています。震災で浸水した宮古市役所も、今回の台風で庁舎1階が再び浸水。市内を流れる閉伊川の堤防の一部が決壊したため、千徳地区では床上・床下浸水被害が発生しました。会合に参加したCAPリアスメンバーが住む津軽石地区などでも退避命令が出て、3日間体育館で過ごした方もいらっしゃったそうです。

岩手県沿岸部で、根を張りはじめた“種”

震災の年からCAPプログラムのサポート事業を担当してきた元ユニセフ職員で当協会支援本部の小野道子子どもの保護アドバイザーは、次のように語ります。

「台風10号は、自然災害の恐ろしさを私たちに教えてくれました。また、この会合を通じて、報道ではあまり伝えられなかった東日本大震災の被災地への台風被害の深刻さを実感しました」「そうした難しい状況はあるものの、今回の会合を通じて、特に震災以前から県内でCAPを進めてきたCAP岩手と震災後に発足したCAPリアスとの間の連携がうまく進んでいることがわかりました。心強く励まされました」

みなさまのご支援で捲かれた“種”は、ここ岩手県沿岸部でも、しっかり根を張りはじめています。

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