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日本ユニセフ協会
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はしか予防接種の中断により
37カ国の子どもが接種できず はしか・風疹イニシアチブによる声明

【2020年4月14日  アトランタ/ジュネーブ/ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)などによるパートナーシップ「はしか・風疹イニシアチブ」(注1)は、以下の声明を発表しました。

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24カ国ではしか予防接種キャンペーン延期

はしかとポリオの予防接種を受けるシリア難民の女の子。サヘラの国境地点から入国する15歳以下のすべての子どもは、ユニセフの支援で予防接種を受けることができる。(イラク、2019年10月撮影)

© UNICEF/UNI218436/Rfaat

はしかとポリオの予防接種を受けるシリア難民の女の子。サヘラの国境地点から入国する15歳以下のすべての子どもは、ユニセフの支援で予防接種を受けることができる。(イラク、2019年10月撮影)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界で広がり続けるなか、37カ国の子ども1億1,700万人以上が、命を守るはしかワクチンを接種する機会を逃してしまう恐れがあります。すでに、24カ国ではしか予防接種キャンペーンが延期されており、今後さらに多くの国での延期が見込まれます(注2)。

この困難な時期にあたり、はしか・風疹イニシアチブは、家庭、コミュニティ、各国政府、緊急対応にあたる人々、そしてGAVIアライアンス、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)に関わる保健パートナーなどと連帯し、ともにCOVID-19の脅威と闘います。世界的流行という脅威に際し、世界各国の第一線で対応する医療従事者を確実に守るためには、連携した取り組みと資源の投入が必要です。それと同時に、不可欠な予防接種サービスを現在から将来にわたって保護する取り組みも進めなくてはならないでしょう。

COVID-19感染拡大によって、予防接種事業を中断するという難しい選択がなされた場合、私たちユニセフは各地域のリーダーに向けて、未接種の子どもの追跡を強化し、もし再開できる状況になったときは可能な限り早く、最も弱い立場に置かれた子どもにはしかワクチンを接種するよう要請します。

COVID-19の脅威の下、保健医療システムや現場の医療従事者に多くの負担がかかることは認識していますが、一方で、はしかワクチンを含むすべての予防接種事業を継続して実施することも、予防可能な病気で命が失われないようにするために不可欠です。

守ることのできる命を奪うはしか

はしかの予防接種を受けるためにやって来たプライマリ・ヘルスケア・センターで、予防接種カードで遊ぶ生後9カ月のクリスティーンちゃん。(南スーダン、2020年3月24日撮影)

© UNICEF/UNI317145/Ryeng

はしかの予防接種を受けるためにやって来たプライマリ・ヘルスケア・センターで、予防接種カードで遊ぶ生後9カ月のクリスティーンちゃん。(南スーダン、2020年3月24日撮影)

過去50年以上にわたり安全で効果的なワクチンがあるにも関わらず、はしかの症例は近年急増しています。2018年には14万人以上の命がはしかによって奪われ、その大部分は子どもと乳児でした。すべて、守ることのできる命でした。

このように、はしかがもたらす影響はすでに危機的状況であるにも関わらず、予防および即効的な効果のある予防接種キャンペーンは、COVID-19のさらなる感染拡大を防ぐために24カ国で中断または延期されており、さらに13カ国で今年後半に予定されているはしか予防接種キャンペーンも実施されない恐れがあります。

はしかの予防接種の機会を逃す可能性のある37カ国の1億1,700万人以上の子どもの多くは、はしかの流行地域で暮らしているため、予防接種キャンペーンの中断によって影響が及ぶ可能性があります。また、12カ月未満の子どもは、はしかの合併症で死亡するリスクが高くなっています。はしかウイルスの流行が止まらなければ、はしかに晒されるリスクが日に日に高まるでしょう。

子どもが確実に予防接種を受けられるように

ユニセフの予防接種キャンペーンで、はしかとポリオの予防接種を受ける赤ちゃん。(ギニアビサウ、2020年1月18日撮影)

© UNICEF/UNI284879/Prinsloo

ユニセフの予防接種キャンペーンで、はしかとポリオの予防接種を受ける赤ちゃん。(ギニアビサウ、2020年1月18日撮影)

はしか・風疹イニシアチブは、世界中の医療従事者や緊急対応に携わる人々の勇気に敬意を表します。

彼らはそれぞれの地域で、明確に信頼できる情報を提供し、予防および対症療法を提供するために重要な役割を果たしています。私たちは、医療従事者を支援し、彼らが感染から確実に守られるとともに、持続可能な医療システムの担い手としての権限が保障されるようにしなければなりません。彼らは、感染症の拡大を防ぐ最初の防衛線です。同時に、国のガイダンスで示される物理的な距離を保ったうえで、子どもが確実に予防接種を受けられるようにするには、保護者の役割も大切です。

最後に、私たちは国と地域のリーダーに対して、地域社会とともに取り組むための効果的な情報伝達、予防接種の継続的な実施の確保、特にこの困難な時期においてすべての子どもたちの健康的な生活を守ることへの取り組みを呼びかけます。

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(注1) はしか・風疹イニシアチブ(The Measles& Rubella Initiative)

はしか、風疹、先天性風疹症候群の根絶に向けた世界的な努力を牽引しているユニセフ、WHO、米国疾病予防管理センター(CDC)、国連財団、米国赤十字社による官民連携パートナーシップです。2001年に設立されて以来、予防接種率の向上、感染症流行への対応の改善、監視と評価、予防接種に対する人々の信頼と需要の構築により、29億人以上の子どもへの予防接種の提供を支え、2,100万人以上の命を守ることに貢献しました。

(注2) はしか予防接種キャンペーンが延期された24カ国

バングラデシュ、ブラジル、ボリビア、カンボジア、チャド、チリ、コロンビア、ジブチ、ドミニカ共和国、コンゴ民主共和国、エチオピア、ホンジュラス、カザフスタン、キルギスタン、レバノン、モルディブ、メキシコ、ネパール、ナイジェリア、パラグアイ、ソマリア、南スーダン、ウクライナ、ウズベキスタン

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