2022年2月6日ダマスカス(シリア)発
シリア北東部の収容所に拘束されている子どもたちに面会したことを受け、ユニセフ(国連児童基金)シリア事務所代表のボー・ビクトル・ニルンドは、以下の声明を発表しました。
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拘束されるべきではない子どもたち
ユニセフは昨日、シリア北東部のハサカにあるグワラン(Ghwayran)収容所で、いまなお拘束され続けている子どもたちと面会しました。彼らは少なくとも10日間、グワラン収容所の悲惨な状況の中で暮らしてきました。そして、彼らの多くが、1月中旬に起きた収容所への襲撃事件のように、収容所内やその周辺で激化していく暴力行為を、何年にもわたって目の当たりにしながら、生き延びてきたのです。
現在、子どもたちはいくつかの基本的なサービスを受けられてはいるものの、状況は非常に不安定です。子どもたちは、そもそも拘束されるべきではなかったのです。ユニセフは現在、子どもたちに安全とケアを迅速に提供するための活動を行っています。また、子どもたちの最善の利益のために、長期的な解決策を早急に見出すよう、すべての関係者に引き続き呼びかけています。
徴兵された子どもも
地元当局も、収容所内とその周辺の状況を安定させるために尽力しています。子どもたちの状態を把握し、ケアと保護を提供するための活動は非常に重要であり、今後も継続する必要があります。
収容所の周辺地域にも、深刻な影響が出ています。家屋は破壊され、推定3万人が被害を受けています。被害にあった人々に迅速な支援を提供するため、シリア政府や地元当局など、あらゆる関係者は早急に行動を起こさなければなりません。
ユニセフは、シリア北東部で最も厳しい状況に置かれている子どもたち(12歳という幼い年齢の子どもたちを含む)を保護するために、新たな安全な場所を提供する準備が整っていることを確認しました。
子どもたちは、決して武装勢力との関わりを理由に拘束されるべきではありません。武装勢力によって徴兵された子どもたちは、常に紛争の犠牲者として扱われるべきです。
早急な保護呼びかけ
ユニセフは、グワラン収容所およびシリア北東部にあるすべての収容所に拘束されている子どもたちを直ちに解放し、彼らを保護することができる関係者に引き渡すことを引き続き求めています。また、外国籍の子どもたちに関しては、子どもたちの最善の利益に沿って、安全に本国へ帰すことを国連加盟国に求めています。外国籍の子どもたちを迅速かつ計画的に本国へ帰すための準備、そして、シリアの子どもたちをそれぞれの出身地域のコミュニティで社会復帰させるための準備は整っています。
今こそ、行動を起こす時です。シリア北東部に取り残されている何万人もの子どもたちにとって、一日一日が大切なのです。子どもたちを保護するペースは、現在のままではあまりにも遅すぎます。この状況を早急に改善しなければなりません。