2022年3月15日シリア発
シリアで2011年3月に勃発した紛争は、11年が経過した今なお続いています。多くの家族が避難生活を強いられ、平和な日常を経験したことがない子どもたちも年々増えています。2011年以降、シリアでは約500万人の子どもが生まれています。
シリアの冬は寒さが厳しいうえ、近年の経済不況、燃料不足、暖房手段の欠如によって、人々が寒さをしのぐことがさらに困難になっています。また、避難民キャンプで暮らす家族にとっては、子ども用の暖かい衣服などを入手することさえ、難しい状況におかれています。
子どもたちの健康を守るため、ユニセフは、シリアや周辺国で避難生活をおくる子どもたちに、冬用の服や靴を届けています。昨年の秋、日本の皆さまと各国からのご支援により、ユニセフは、アレッポ北部にあるファフィン(Fafin)避難民キャンプとアレッポ南西部のアル・ゼルベ(Al-Zerbeh)において、0~14歳の子どもたち5,000人以上に冬服キットを届けることができました。
「これでもう寒くない!」
ユニセフが提供した冬服キットの箱にはそれぞれ、冬用ジャケット、毛糸のセーター、防寒着、暖かい冬用ズボン、毛糸の帽子、マフラー、手袋、靴下、冬用ブーツ、暖かいパジャマが含まれています。赤ちゃん用キットには、ボディスーツ、綿の手袋・帽子・靴下のセット、赤ちゃん用毛布、赤ちゃん用コート、抱っこ紐、赤ちゃん用の衛生用品も含まれています。
シリアでは今なお、530万人の国内避難民を含む1,460万人以上が人道支援を必要としています。ユニセフとパートナーは、シリア全域、そして支援を必要としている推定580万人の子どもを受け入れている近隣諸国において、子どもたちを保護し、紛争の影響に対処できるようにするための活動を続けています。子どもや養育者がトラウマから立ち直るための心理社会的支援を拡充させたり、命を守る支援や身体的・心理的に苦しんでいる子どもたちへのサービスを提供しています。