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1L for 10L プログラムは、マリ国内でもっとも清潔で安全な水の供給が必要とされているメジナ虫病が発生している地域、モプティ地方とガオ地方でのユニセフの活動を支援しています。
モプティ地方では、5つの手押しポンプつきの井戸が完成し、村人たちは清潔で安全な水を使えるようになりました。また、ポンプが壊れて使用できなくなっていた井戸から、UPMというタイプのポンプを取り外し、丈夫でメンテナンスがしやすいインドマークⅡというポンプに取り替える修復作業も行われました。
60の手押しポンプが修復され、約80000人の人が、再び清潔で安全な水を使えるようになりました。
さらに、ポンプの修理を行うため、メンテナンスのためのトレーニングを設け、12名がポンプの手入れや修復の技術を身につけました。今後、ポンプが壊れてしまっても、より迅速に修理を行い、継続的に井戸の水を使えるようになります。
ガオ地方は、マリ国内でも、最もメジナ虫病の発生件数が多く、そして、最も井戸をつくるのが厳しい地域です。これまでに、3つの井戸が完成し、残る12の井戸の建設が進められていますが、多くの困難があります。元来、この地域は地下の地盤が固く、掘削を行うのがむずかしい上、降水量も少なく、水を得る自体とても困難です。また、道が悪く、他の地域からアクセスすることは容易ではありません。 しかし、マリ国内で清潔で安全な水の確保する必要性がもっとも高い地域です。
4月、私は政府の責任者とともに、建設現場に約1ヶ月滞在し、掘削場所の選定を含む作業に立ち会いました。乾季が終盤となるこの時期、日中の気温は50度近くになります。突き刺すような日差しの中、掘削機はオーバーヒートしかけ、固い岩盤を前に壊れることもしばしば。 日中から、遅いときは夜中の3時過ぎまで、井戸の掘削を続け、この地域で清潔で安全な水を得ることのむずかしさを改めて実感しました。
マリでは、1時間あたり最低800L以上、基本的には1000L以上の水が出る場合、ポンプを取り付けるのですが、ようやく掘り当てた穴から十分な水が得られず、ポンプを取り付けられないこともありました。
困難が立ちはだかる中、建設作業をすすめてきましたが、5月上旬にトアレグ族の反乱グループの活動が活発になり、治安情勢が悪化、予定していた村で作業を行うことができなくなりました。このため、作業を一時中断、ガオ地方でメジナ虫病が発生している別の村で建設を進めることに変更し、現在、建設作業を進めています。
私たちは、雨季が始まる6月中旬から下旬までに、残る井戸を完成させるべく、活動しています。雨季の雨は恵みであると同時に、衛生環境の悪化をもたらす雨でもあります。雨季になると、下痢を患い、命を失う子どもが多くなる上、不衛生な環境からメジナ虫病の発生が増えます。