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財団法人日本ユニセフ協会
「エスター・グルマさん インタビュー」
Interview with Esther Guluma

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3.栄養

では、それだけの問題を抱えた地域でユニセフはどのような活動を行っているのでしょうか?<栄養>

栄養に関しては、統計・調査が十分に実施されていない国で、調査を手伝っています。でないと、国の栄養状況がつかめず、有効な支援が行えないからです。

ビタミンAの配布は、これだけで子どもの死亡率を10%削減できるという意味ではとても有効な方法だというのが分かっています。抵抗力を高める働きがあるからです。ユニセフが予防接種と同時にビタミンAを配布するのはそのためです。

プランピー・ナッツ
© UNICEF NIGER

ニジェールでは、「プランピー・ナッツ=Plumpy’nut ®」<太るという意味のPlumpとピーナッツのナッツを掛け合わせた名前です※1>を始めたのですが、これが栄養不良の改善にとても役立っています。簡単に言うと「栄養補助食品」です。これは栄養不良の子どもたちに提供する食べ物です。ピーナッツバターのようなもので、アルミの袋に入っています。袋をちぎれば、すぐに食べられるところがミソです。ほかの容器に溶かす必要もなく、そのまま口で吸い出して食べることができます。

栄養不良の問題は深刻で、人々は「瀕死の状態」にならないと子どもを病院に担ぎ込みません。その前段階で、子どもの命を守るにはこうした食品がとても役に立ちます。ユニセフが支援する「栄養補給センター」などでは、F100といった栄養補助食品を配っています。しかし、これは粉でできており、きれいな水で溶かす必要があります。つまり、医者や専門家(保健員)の監視を必要としているのです。

プランピー・ナッツ
© UNICEF Regional Office for West and Central Africa
プランピー・ナッツ
© UNICEF/HQ07-0149/Indrias Getachew

しかし、プランピー・ナッツは、水もいらないし、監視する人も必要ないので、「家」で処方することができます。栄養補給センターや保健センターが遠くても、「家」や「コミュニティ」で、(瀕死の状態になる前に)手を打つことができるのです。「コミュニティ」で「何とかできる」。これが、最近の支援の方法となっています。どこかにでかけなくても、コミュニティの中で、うまく問題解決できれば、それだけ子どもたちの命は助かるのです。

マラリアに対しては、殺虫剤を織り込んだ蚊帳が活躍しています。ご存知のように、日本の技術で生産されているものです。ガーナでは、子ども全員に蚊帳が配られましたし、コンゴ共和国では、日本の寄付で「蚊帳配布の汽車」が走り、反政府勢力の管轄地域にまで蚊帳が配られて大きなニュースとなりました。反政府勢力が抗争を一時的にやめて、この汽車を通したのです。

何よりも2000年からは、即効的に効果が上がる、包括的な「子どもの生存・発達促進プログラム(ACSD)」が実施されて、話題になっています。お金がかからず、効果が高いということで注目を浴びています(ユニセフ・ニュース212号で紹介)。

この方法を使うと、栄養不良だけを見ても、最低25%削減できるのです。

セネガル、ガーナ、ベナン、マリなど西部・中央アフリカの11カ国で実施され、1600万人以上が恩恵を受けています※2 。そして、その成功と成果を受けて西・中央アフリカ地域全域に広げられることになっています。

※1 日本の即席ミソのアルミ・パッケージに似ています。その中にピーナッツバターと砂糖を合わせたものが入っているような感じです。
※2 UNICEF Annual Report 2006 (ユニセフ年次報告) P.11

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