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財団法人日本ユニセフ協会
「エスター・グルマさん インタビュー」
Interview with Esther Guluma

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5.通常予算とマンスリー・サポート

ユニセフを支援してくださっている方々の中には、多くの「マンスリー・サポーター」がいらっしゃいます。月々一定額の募金をくださっています。拠出金は通常予算(Regular Resource) にまわされますが、西・中央アフリカ地域の国々にとって通常予算はどのような役割を果たしていますか?

通常予算は、アフリカ諸国にとってはとても重要な資金源となっています。トーゴ、ギニア・ビサウ、中央アフリカなど、私の担当地域にはいわゆる「忘れられた国々」が数多くあります。「忘れられた国々」とは、貧困や災害に悩まされながら、マスコミに取り上げられることも少ないために、その国での子どもたちの状況が「忘れ去られた」ままになっている国々を言います。マスコミに取り上げられると、資金は集まり易いのですが、マスコミが注目しないと、人々の目はそこになかなか向きません。それが苦しいところです。<<例えば、コンゴ・ブラザビルの状況。ピグミー族が味わっている貧しさと偏見。私はピグミー族の村を訪れたことがありますが、子どもたちはみんな皮膚病にかかり、学校に行くこともできず、食料にも事欠く状況でした。こういう事情は、世の中にはなかなか伝わらないのです。>>

注目を浴びない国々でも、困難な状況にある子どもたちへの支援が実施できるのは、通常予算のおかげなのです。

通常予算はユニセフ執行理事会で承認された予算に沿って、(1)子どもの人口、(2)5歳未満児の死亡率、(3)国のGNI(国民総所得)をもとに、割り当てられます。ですから、マスコミや人々の注目を浴びない国でも、ユニセフ活動のもととなる資金が回るのです。

通常予算は、例えばアドボカシーのように、人々の関心を呼ばない地道な活動にも使われます。例えば、赤道ギニアのような国。GNIはこの地域としては4番目に高く、予算はほかに比べてあるとします。でも、子どもたちのための予算が確保されていない。そういった政府には、子どものための予算を採ることの大切さを説かないといけません。子どもに対する政策転換をお願いしないとだめなのです。

アフリカの国々は、独立してからそれほど歴史がない。ましてやブレイン流出で、外国に行った人たちが祖国に戻ってきてくれない。※1そういう中で、社会政策、財政政策面でのアドバイスをしているのがユニセフなのですが、アドボカシー的なものにはなかなか拠出が来ません。そういう意味でも通常予算は大切なのです。

通常予算への拠出を一番多く出してくださっている日本のみなさまに心から感謝しております。

※1 給料が安く、生計を立てていくことが困難なため。
リベリアの医者の給料:100ドル/月
リベリアの教師の給料:30〜50ドル/月 これでは米も買えないのです

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