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フィリピン台風緊急募金 第11報
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© UNICEF Philippines/2009/Palasi |
ユニセフが支援した学用品を受けとったサンプラス小学校の子どもたち。この学校は10月にフィリピンを襲った台風の被害を受けました。 |
ノート、ペン、クレヨン、のり、スリッパ、水筒、はさみ等が入った、ユニセフ支援による学校かばんを受け取るために、子どもたちは中庭に並び、ユニセフは、1,145人全員にこのかばんを配布しました。
自宅が学校のすぐ隣にあるという3年生のトリシア・マエちゃん(8歳)は次のように話します。
「洪水の水が入ってきて目が覚めたの。叔母さんが教会に避難しなさいって言ってたけど、どうやって教会にたどり着いたか覚えていないの。次の日家に戻ったら、洋服は全部なくなって、教科書も泥でぐちゃぐちゃになってた。靴もなくなっちゃった。」
「でも、学校に戻ることができて嬉しい!新しいノートもペンもあるわ。」と、トリシアちゃんは新しい学校かばんをはやる思いで開けながら話しました。
「学校にあった何もかもが被害を受けました。学校の清掃には一週間以上かかりましたが、いままた教室は子どもたちであふれ、全員が学校に戻ってきました。」グロリア・オレナ先生は話しました。
ユニセフは、被害を受けた地域にある23の学校に3万659人分の学校かばんを配布しました。しかし、いまだに多くの学校で支援が必要とされ、そのうちの2校は、アグノ川の対岸に位置するロサレス町にあります。
カルメン小学校とロバート・エストレラ国立高校はどちらも洪水被害に見舞われました。中庭や廊下はいまだ泥に覆われ、いくつかの教室は壁がなくなってしまいました。屋外には題名だけがかろうじて読み取れるようなぼろぼろになった本が放置されています。
教育省中央局は、カルメン小学校の復興・再建支援を最優先課題に掲げましたが、より多くの支援が必要な状況です。
「子どもと教師のための食糧と学用品が不足しています。」アルトロ・デ・ラ・クルズ校長先生は話します。「また、教科書がなくなってしまった子どもたちが学校をやめてしまうことも問題になっています。」
多くの子どもたちは、最も被害の大きかった地域であるカルメン東部とカルメン西部の出身です。数百世帯が住む家を失い、多くの人びとが親戚の家に身を寄せたり、サン・ペドロ市近くに設置された避難テントで暮らしています。教科書をなくしたり、学校までの交通費がない子どもたちは、再び学校に通うことができません。
マルジョンくん(14歳)は家族と一緒にサン・ペドロ市にある避難テントで暮らしています。
「ここに避難してから一度だけ学校に行ったことがあります。カルメンで暮らしていたときは、毎日学校に通っていたので、行けなくなって悲しいです。」
子どもたちを出来るだけ早く学校に戻すことは、子どもたちに日常の感覚を取り戻させる最善の方法です。
マルジョンくんと彼の友達は、近いうちに再び学校に通えるようになることを願っています。
「ぼくはただ、学校を卒業して家族を支えるための仕事を見つけたい。」