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終わりの見えないダルフールの人道危機【2007年1月22日 ニューヨーク発】
スーダン西部のダルフールで続く武力衝突は依然として弱まるけはいさえせず、この週末にも北部の村が激しい爆撃にあったという報告が入ってきました。1月17日、ユニセフを含む国連の人道支援機関は共同声明を発表し、この人道危機が再び人々の注目を集めようとしています。 ユニセフ緊急支援室副局長のピエレッテ・ヴ・ティ氏はダルフール北部を視察し、そこで生活する子ども達と女性の悲惨な現状を目の当たりにしました。 先週4日間の日程で行われた視察中、ヴ・ティ氏は武力衝突によって家を失った人々が生活するアル・サラム避難民キャンプを訪れました。このキャンプは北ダルフール州の州都、エル・ファシャーの近くに設置されています。 アル・サラム避難民キャンプでは、現在収容人数を大幅に上回る4万5,000人の避難民が生活しており、そのうち2万人はここ半年の間に新たに到着した人たちです。ヴ・ティ氏はこのキャンプを視察し、避難民の苦難や今必要なものについて話を聞きました。避難民の多くは周辺の農村地域から避難してきた人々です。 支援活動を阻む武力衝突
「私が話した避難民たちの大半が、保護や治安の回復を求めています。彼らは家に帰りたいと願っていますが、現状では不可能です。」とヴ・ティ氏は話します。「また、避難民たちの話では、キャンプ内では伝統的な社会秩序が崩壊し、自分たちで生計を立てていくための資源も不足しているということです。」 ヴ・ティ氏は女性グループとも話す機会をもちました。「女性たちが今1番求めているのは、暴力からの保護です。特に、薪を集めにキャンプの外に出るときなどは襲われやすくなります。レイプの被害に遭ったという報告も多くあります。」とヴ・ティ氏は話します。 レイプ、略奪、殺しなどの事件はダルフールでは日常的に起こり、人々は脅えながら生活しています。ダルフール地方の武力衝突も4年目に入り、これまでに20万人以上の命が奪われ、200万人以上が住み慣れた家から追い出されました。 ダルフールでは、世界でも最大規模の支援活動が続けられていますが、頻発する武力衝突と悪化する治安のために、支援活動は困難を極めています。国連の人道支援機関が表明したダルフールについての共同声明によれば、現在支援を必要としている人びとに支援物資を届けることが2004年4月以来最も難しくなっています。 「希望の光」
アル・サラム避難民キャンプでの視察を終えた後、ヴ・ティ氏はセイゲル・ナーム村を訪れました。エル・ファシャーから東に45キロほど行った所にあるこの村は、ダルフール和平合意に調印した武装グループの支配下にあります。ユニセフは半年前からこの村で活動できるようになりました。 「ユニセフは村の指導者たちと協力して、弱い立場に置かれた人々のために、保健、水、基礎教育の分野で支援活動を行っています。」とヴ・ティ氏話し、村での支援プログラムは成功といってよい、と付け加えました。 「紛争が終わって避難民が帰還すれば、ダルフールの人々は立ち直り、平穏な生活を取り戻すことができる—この村での支援活動の成功は、希望をもたらしてくれます。」 ************** ◇ 募金のお願い ◇ 日本ユニセフ協会では、スーダンをはじめ人道危機に対するユニセフの支援活動を支援するための募金を下記の口座にて受け付けています。皆様のご協力をお願い申し上げます。 |