子どもたちは、社会の一員として権利を有する存在であるだけでなく、従業員、消費者、地域社会の一員として、企業が日々関わるステークホルダーです。それにもかかわらず、ビジネスにおいて子どもたちのことは適切に考慮されてきませんでした。企業がデュー・ディリジェンスに子どもの権利を組み込む場合、そのほとんどが児童労働の問題に限られています。しかし、企業活動が子どもたちに与えうる影響は、より広範囲に及んでいます。例えば、製品デザインや広告、従業員や業者が子どもに接する態度、事業などに伴う住民移転、サプライチェーンとバリューチェーンにおける子どもの権利など、多岐にわたっています。
ユニセフなどは、2012年3月、企業が子どもの権利を尊重し推進するために職場、市場や地域社会で行うことのできる様々な活動を示した、初めての包括的な原則である、『子どもの権利とビジネス原則』を発表しました。その後、2014年9月には、情報通信技術(ICT)関連企業がどのようにネット上で子どもを保護できるのかを示した『インターネット上の子どもの保護に関する企業のためのガイドライン』を、国際電気通信連合とともに 発表するなど、業種ごとに的をしぼった取り組みも進めています。