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日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 中條 那歩
派遣先 ネパール事務所
派遣期間 2023年9月〜2023年12月

2023年9月中旬から2023年12月末まで、ネパールの首都・カトマンズにあるUNICEFネパールカントリーオフィスのWASH(水と衛生)セクションでインターンシップをさせていただきました。業務では主に、UNICEFネパールでは新しく始まったばかりの地下水モニタリングプログラムに関するサポートや気候変動に強いWASH(Climate Resilient WASH=CR WASH)のナレッジマネジメントを行いました。UNICEFでは、特に子供たちに対する気候変動と環境悪化の影響に対処するため、低炭素成長、環境汚染の削減や統合的な水資源管理など、サステナビリティにフォーカスしたプログラム作りがますます重要視されてきています。これらの側面のデータ活用を強化し、子供たちに焦点を当てたリスク情報に基づいたプログラムを促進すると同時に、子供たちや青少年をそうしたプログラムの担い手として関与させていくことが行われています。地下水モニタリングはその一環で、近年渇水に見舞われているネパールの南西部において、地下水位を継続的に観測し渇水を事前に予期、早期警報を可能にすることで、被害を抑制し迅速な対応に繋げることを目的としています。私は地下水モニタリングに関する文献調査を行ったり、プロジェクトのステークホルダーとの連絡調整のほか、CR WASHのコンセプトノート、提案書作成のサポートをさせていただきました。プロジェクトの初期段階だったこともあり、最初の提案段階であるコンセプトノートやTOR(Terms of Reference、コンサルタントなどへの業務仕様書)がどのように作成されるかを学び、作成にも関わることができたのは良い経験でした。

また、CR WASH自体が新しいコンセプトであり、UNICEFを含め多くの実施機関がプロジェクトを進める中で困難にぶつかるため、ネパール全体で経験や知識を共有することは非常に有益です。そのため、CR WASHのナレッジマネジメントでは、ネパール内のUNICEFのパートナー団体(NGOや政府、市民団体)のプロジェクトの好事例や経験を集め文書化をしました。この業務のおかげで多くのパートナー団体の方々と直接会ってお話しすることができ、またネパールの彼らの活動の重要性を実感することができました。初めから単独でのミーティングを任されたときは焦りましたが、このような機会を与えてくれたスーパーバイザーには感謝しています。

さらに、フィールドトリップでは実際にCR WASHの実証事業をしている農村部の市と学校を視察し、UNICEFのサポートにより、渇水に影響されることなく子供たちが学びを続けられ、地域の人々の暮らしを支えている様子を目の当たりにしました。ネパールのほとんどの国民は都市から何時間もかかる山間遠隔地の小さな村々に住んでいますが、そうした最も支援が届きにくい人々にリーチするためにフィールドオフィスがあり、そのニーズを受け国レベルの施策に繋げていくカントリーオフィスとの連携、コミュニティから国レベルまで現地との信頼関係が重要なのだと学びました。

最後に、このように貴重な経験をさせていただいたUNICEFネパール事務所の皆様、最初から最後まで手厚くサポートしていただいた日本ユニセフ協会の皆様に心より感謝申し上げます。今回のインターンシップでの経験を活かし、国際開発分野で貢献できる人材となるよう、今後も精進していきたいと思います。ありがとうございました。

フィールドトリップにて。Rolpa市長がネパール式の歓迎をしてくださいました。

CR WASH実証事業の学校で飲料水道の完成を祝う式典の様子。

WASHセクションの皆さんと最後の送別ランチにて。

写真:©日本ユニセフ協会