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財団法人日本ユニセフ協会




2004年11月4日

ユニセフ緊急支援情報
バングラデシュ洪水緊急募金 第4報

続く緊急事態

10月中旬、ベンガル湾で発生した低気圧によって、バングラデシュは再び豪雨に襲われました。さらに同時に発生した竜巻が5つの地区を襲撃し、少なくとも13人が命を落とし、500人以上が負傷しました。この竜巻は首都ダッカやその他の主要都市の電力や給水システムを破壊し、首都の大半が浸水しました。

image1また、インドからの流れ込んだ激流によって、北部の3地区で新たな洪水が発生しました。数千人もの人々が取り残され、作物は打撃を受け、交通網にも支障がでました。しかし、これらの地域では数日内に水が引いていくと予測されています。
政府の洪水予報・警報センターは、バングラデシュでは、今年はこれ以上の洪水は発生しないと予測していますが、サイクロンのおこる危険性は11月末まで続きます。

ユニセフの支援

<保健>
image1政府の報告によると、これまでに合計で42地区が洪水の被害を受け、死者は876人にのぼりました。洪水が原因の下痢の広がりは減少傾向にありますが、しかし肺炎はいまだに終息していません。
ユニセフは基本的な薬、肺炎や下痢その他の病気に対する抗生物質を提供しています。これまでに、ユニセフは、合計1千万の浄水剤、640万袋の経口補水塩、40万袋のIVコレラ(500ml)と17万5000万袋のIVコレラ(1000ml)、はしかワクチン、安全装置付の注射器を含む付属品を提供しました。

およそ130万人の子どもたちが深刻な栄養不良状態に陥る可能性が指摘されていますが、ユニセフはWFP(世界食料計画)と連携し、最も被害の大きかった地域に暮らす40万人の子どもたち(6ヶ月から23ヶ月)と授乳期の女性に支援を行っています。

ユニセフが担当する栄養補助食の供給に必要な資金は580万米ドルで、NGOを通じた配布費用も含まれています。補助食の配布は2005年4月まで続けらる予定です。ユニセフはさらに、子どもと女性の間の栄養不良の蔓延について引き続き調査を行っていきます。

<水と衛生>
バングラデシュの最近の洪水被災地に対して、ユニセフは、浸水した井戸の引き上げ、トイレ75基の設置、新たな掘り抜き井戸の設置を支援しました。水/衛生部門はチームを派遣し、シェルターの中の設備状況調査も行いました。被災地域は排水事情が悪いために2〜3か月の間、水が溜まったままになる可能性があります。洪水後の復興に向けた活動が、ここでも必要です。
主な洪水被災地では、政府による被害情報が収集され、復興活動のために役立てられます。給水・衛生施設復旧のための詳細は、政府機関やNGO等との協力によりまもなく確定する見込みです。

<教育>
image1洪水被害がピークの時には2万4000を越える教育施設が被害を受けました。1200校以上の小学校が破壊もしくは深刻な被害を受け、2000校が浸水はしなかったものの被災者のシェルターとして使用する間に破損が生じました。学校でも家庭でも、教育資材やレクレーション用の資材は消失しました。
現在は、完全に破壊された学校以外はほぼすべての学校が再開され、校舎が使えない生徒のためには、コミュニティーが仮設の学習スペースを整備しました。今後、学習活動の完全な再開を支援するために、ユニセフは教員用資材や学習用資材を被害地域の初等学校や学校外教育のスペースに提供する予定です。

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募金のお願い

 (財)日本ユニセフ協会は、バングラデシュの洪水で被災した人々へのユニセフの緊急人道援助を支援するための緊急募金の受付けを開始しました。
皆さまの温かなご支援をよろしくお願い申し上げます。