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ハイチ地震復興支援募金 第83報
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© UNICEF/NYHQ2012-0927/Dormino |
本文とは直接関係ありません。(ハイチの首都ポルトープランス近郊の村で。2012年撮影) |
日本政府は、ハイチ共和国において、ハリケーン「サンディ」の被害を受け、最も困難な状況に置かれている被災者の子どもたちを支援するため、約120万ドル(約9,700万円)の緊急無償資金協力を、ユニセフ(国連児童基金)を通じて実施することを閣議決定しました。ハイチでは、これまでハリケーン「サンディ」の影響で54人が死亡、6,000世帯の家屋が倒壊、約34,000世帯が被害を受けました。
ハイチは、ハリケーン「サンディ」の直撃をまぬがれたものの、10月23日から27日の暴風雨によって引き起こされた断続的な豪雨と洪水により、全国で140ある区域のうち、少なくとも70箇所で被害が報告されました。また60以上の区域で、およそ90,000ヘクタールの農地と作物に被害が出ました。
約3,000人の被災者は緊急避難所での生活を強いられており、それ以外の3,000人は未だ避難先すら見つかっていない状況です。「サンディ」による被害のため、8箇所の栄養回復管理所と61のコレラ治療所が活動不能に陥っています。
ハイチでは、今年8月の熱帯暴風雨「アイザック」のため、既に収穫の4割が洪水に流され、干ばつにも悩まされていました。そこへ、畳み掛けるように新たな暴風雨が襲い、新たな人道的支援が必要とされています。45万人が栄養不良の危険にさらされており、5歳未満の子ども4,000人が重度の急性栄養不良に直面しています。さらに、このような度重なる自然災害により150万人以上が深刻な食糧不足の危機に瀕しています。
ユニセフ・ハイチ事務所は、現地のパートナー団体と一緒に一刻も早く事態の悪化を防ごうとしていた矢先に、日本政府からの緊急無償資金協力の知らせを受けました。この日本からの資金は、ユニセフの主要な活動である「水と衛生(WASH)」と「栄養」の分野で使われることになっています。
© UNICEF/NYHQ2012-0936/Dormino |
本文とは直接関係ありません。(ハイチの首都ポルトープランス郊外にある自宅の屋根の上に立つ女の子。2012年撮影) |
この資金協力をもとに、ユニセフ・ハイチ事務所とパートナー団体は、コレラや、水を媒介する感染症を予防し、ハイチの緊急対処政策を強化することにしています。また、子どもの栄養不良を防ぎ、重度の急性栄養不良を効率的に治療し、対象を定めた栄養補給と栄養不良予防サポート体制を確立し、栄養の危機を未然に防ぐことに力を入れていきます。
「緊急人道支援がなければ、今直面している危機が、コレラの伝染を加速させ、子どもたちの栄養状態が悪化させ、3年前から行ってきている震災後の復興活動の成果を180度一変させてしまう可能性があります」とユニセフ・ハイチ事務所代表エドゥワール・べグブデールは述べています。
「ハリケーン『サンディ』の影響で生じている問題に、ハイチ政府が効率的に対応できるようユニセフは支援を行います。また将来の予想不可能な自然災害が、体の不自由な子どもや女の子などの、最も困難な立場に置かれている子どもたちへ与える影響を考慮し、政府が柔軟に対応できるよう、ユニセフは活動を続けていきます」
このような危機的な状況、および国連機関の合同アピールに呼応し、日本政府とユニセフは2012年12月から2013年5月の間、短期間の人道支援パートナーシップを結ぶことにしています。