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財団法人日本ユニセフ協会

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わたしたちが生きているこの社会のどこかで、声にならない声で必死にわたしたちに呼びかけている子どもたちがいます。記事の見出しになることは決してない子どもたちの叫び。このような事態を見過ごすことはできません。

この春コンゴ民主共和国で、私は6年におよぶ過酷な内戦を生きのびた少女と出会いました。
9歳か10歳くらいに見えるその少女は、目に涙をいっぱいため、何度も声をつまらせながら懸命に話してくれました。紛争で家を失ったこと。何日間も水だけを飲んでさまよいつづけ、ようやく難民キャンプまでたどりついたこと。キャンプの近くでまき拾いをしているとき武装勢力につかまって暴行を受け、心と身体につらい傷害を負ったこと。

私はいたたまれない気持ちになりましたが、それでもこの少女にはまだ救いがあったと言えます。ユニセフに助けられ、命を取りとめ、苦しみを語ることができたのですから。世界には、この世に生を受けたことさえ忘れられ、メディアや国際社会はもとより、周囲の大人たちの目にさえとまることなく、じっと苦難に耐えている子どもたちが数えきれないほどたくさんいるのです。

1歳になるマラウイのデイビッドは、生まれてから一度もお腹いっぱいお乳を飲んだことがありません。
栄養不良のためにいつも病気がちです。貧しさの中、親は常に働かなければならず、ある日デイビッドが肺炎を起こしたときも、誰もそばにいませんでした。戻った親は異変に気付いたものの、病院に行くお金はありませんでした。

社会から忘れ去られてしまった子どもたちを探し出す手だては、ひとつひとつの場所を丁寧にたずね歩き、さらにまた、たずね歩くことです。あきらめるわけにはいきません。

子どもたちはレンガ工場の泥の中で、性産業の部屋のすみで、ごみの山のくぼみで、戦車の陰で、あふれ出そうになる涙をこらえて、私たちの助けを待っています。
ユニセフがみなさまのお力添えによって成し遂げようとしていること、それは、社会の目から隠され、あるいは目に見えているのに、ないがしろにされている子どもたちを見つけ出し、光をあて、生きていく力を与えることです。

エチオピアの少年シセイは、両親を相次いでなくして以来、のら犬とともにごみ捨て場で生活してきました。
犬が拾ってきてくれた残飯を食べ、夜は犬に守られて眠りにつく毎日を送っていました。
しかし、その犬も死んでしまった今、たったひとりで、どうやって生きていけばいいのか途方にくれています。信じられないかもしれませんが、これは本当の話なのです。

頼る人もなく、危険な路上で暮らす子どもたち。虐待や人身売買の犠牲となったり、子ども兵士としてひそかに連れ去られたりするケースも後を絶ちません。
こうした子どもたちを守るためにどうしても必要なのが学校です。学校は読み書きや計算を教えたり、生きる支えとなる技能を身に付ける場としても大切ですが、子どもたちを保護し、危険にさらされるのを未然に防ぐ役目も担っています。

ご想像いただけるでしょうか。今この瞬間に耐えがたい苦しみを味わい続けている子どもたちがいることを。
危険な労働を強いられ、誰にも守られず、安全な水や充分な食べ物もなく、病気になっても薬さえ手に入らない子どもたちがいることを…。

子どもたちの声なき叫びに、どうか耳を傾けてください。子どもたちを守るユニセフの活動に、ぜひご協力くださいますよう、お願い申し上げます。

ユニセフ事務局長 アン・M・ベネマン
サイン

追伸:子どもらしく生きたい、みんなといっしょに学びたい——— 子どもたちの願いをかなえるために、ユニセフは今日も全力で支援活動を続けています。
みなさまのお力添えを心よりお願い申し上げます。

 

 

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