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財団法人日本ユニセフ協会




アフガニスタン緊急・復興支援 第2報
武力紛争下での子どもと妊産婦の保健の改善

【2009年2月05日 アフガニスタン発】

© UNICEF/NYHQ2007-1152/Noorani
アフガニスタン北部バルク州のマザール・エ・シャリフ町にあるサレハ・バヤト病院で、母乳を与える際の赤ちゃんの抱き方を母親に教える女性医師。

子どもたちが生まれて初めて持つ権利は、生きる権利です。しかし、今日、アフガニスタンの子どもたちは、世界中で最も生存が難しい状況に直面しています。

過去8年間、アフガニスタンは著しく進歩してきました。この進歩には、保健ケア全般へのアクセスの拡大、ポリオがほぼ根絶されたこと、清潔な飲料水へのアクセスの改善などが挙げられます。しかし、農村部へのアクセスが限られているために、この成功を全土に拡大していくのが難しい状況にあります。

こうした課題を克服するにはどうしたら良いのでしょうか。ユニセフの使命は明らかです。保健省と多数のパートナーと共に、支援をパッケージ化した包括的な支援で子どもたちの保健と栄養を推進することです。

乳児と妊産婦の死亡率を減らす

© UNICEF/NYHQ2007-1076/Noorani
アフガニスタン南部の町カンダハル近郊のヘラト・バザールにあるポリ診療所の外で、経口ポリオワクチンを投与される男の子。

ユニセフの保健と栄養プログラムの主要目的は、国内の保健システムを支援し、強化することによって、乳児と妊産婦の死亡率を減らすことにあります。アフガニスタンは、これらの指標が危険なほど低いのです。

ユニセフは、未熟児のための保育器を提供しているほか、栄養不良の子どもたちを治療するための「栄養補給センター」を支援しています。多くの場合、母親たち自身が調子が悪く、子どもたちに母乳を与えられないのです。

カンダハルのミルワイス病院小児科のアリア・コチ部長は、病院の様子をこう語ってくれました。「私たちは、多くの困難に直面しています。この病院にいる全ての母親が、自分たち自身、栄養不良に苦しんでいるのです。」

「それなのに、母親たちは、子どもたちに母乳を与えなければなりません。」コチ部長は続けます。「その上、暮らしは貧しい。だから、子どもたちのために、市場で栄養のある食べ物を買うことができません。治安も非常に悪い状態です。ユニセフが、栄養不良の子どもたちを治療するための物資を、定期的に提供し続けてくれることを望んでいます。」

多くのパートナーと共に、ユニセフは、はしかやポリオのような予防可能な病気を防ぐため、予防接種プログラムの拡大を支援しています。カンダハル州で、ユニセフは、世界保健機構(WHO)やその他のパートナーと協力して、アフガニスタンとパキスタンの国境を行き来する5歳未満児全員に予防接種をしています。なぜなら、この2カ国は、ほかの2カ国と共にいまだポリオが流行する国だからです。

専門技能者が付き添う出産の増加

妊産婦死亡率が高いアフガニスタンですが、これを削減するには、母親が出産前ケアを受け、専門技能者が出産に付き添うことが重要です。しかしながら、現在、アフガニスタンでは、文化的、経済的、地理的な理由で、出産時に医学的なケアを受けている妊婦はほとんどいません。

「遠隔地にあるために、バミヤン州は、妊産婦死亡率がとても高いのです。」ハビバ・スヒラビ州知事は話します。

ユニセフは、妊産婦のための出産前ケアを拡大するプログラムを支援しています。このプログラムでは、専門技能者が付き添う出産を増やし、母乳育児の推進、病院スタッフ、コミュニティ保健員を対象とした研修を実施しています。

開発のためのパートナーシップ

ユニセフは、パートナーシップを通して、この困難な状況を打開するために努力しています。このパートナーシップは、NGO(非政府組織)、その他の国連機関、ドナーだけでなく、コミュニティや子どもたち自身をも巻き込む形になっています

毎日、病院、診療所、家庭で、ユニセフとパートナーは、アフがニスタンの子どもたちが、健康に人生のスタートを切り、元気に成長する権利を享受できるよう支援しています。