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財団法人日本ユニセフ協会




アフガニスタン緊急・復興支援 第4報
全ての子どもたちに安全な水とトイレを!

【2009年3月12日 アフガニスタン発】

水は、私たちの命を守る最も基本的な要素です。しかし、現在アフガニスタンで容易に飲料水を利用できる状況にあるのは、人口の4分の1未満に過ぎません。また、全人口の3分の1未満しか、施設の整った衛生施設(トイレ)を利用できておらず、安全な水源を利用している人の数はさらに限られています。

2001年以降、国際社会の支援により、アフガニスタンでは、飲料水設備のある学校数の増加や、公衆衛生知識、コミュニティの水道整備の普及、衛生面における新しい国の政策の採用など、大きな進展を遂げてきました。しかしながら、農村部ではいまだ人道支援のアクセスが制限されています。

ユニセフは、こうした困難を克服しながら、飲料水へのアクセスを改善し、全ての地域で衛生習慣を普及する活動を続けています。

開発への一歩
© UNICEF/NYHQ2007-1090/Noorani
アフガニスタン北西部ハートにあるプホール・エ・ランゲエナ政府学校で、ユニセフが支援した手押しポンプから水を飲む女の子。

ユニセフは、アフガニスタン政府と協力して、持続可能なコミュニティを基盤とした解決法を探っています。学校と保健センターは、こうした活動のきっかけを作る大切な場所です。全ての人々のよりよい健康のために、こうした場所に給水所と男女別のトイレを提供し、女の子の小学校入学率が増加するべく活動しています。

「女の子が小学校に行かない理由のひとつは、学校にトイレがないからなのです。」ユニセフ・ジャジャラーラーバード事務所のパラカシュ・トゥランドハル所長は話します。「飲料水と適切な衛生施設の設置が、学校の整備計画に含まれていることが非常に重要です。もし、学校にトイレがなければ、女の子が学校に通わなくなるのは明らかですから。」

学校にトイレを造ること。その重要性は、単に「用を足す場所」を提供することに留まりません。なぜなら、女の子と女性の教育は、国の開発と繁栄のための前提条件だからです。

ユニセフは、特に国内避難民や帰還民たちを対象に女性の識字教育の支援も行っています。ユニセフが支援するBehaviour Change Committeesと呼ばれる現地のNGOは、人々に、安全な飲み水、衛生、公衆衛生の習慣の重要性について教えています。

学校をより健康な場所に
© UNICEF/NYHQ2007-1136/Noorani
バーミヤンの中心部にあるバム・サライ学校で、ユニセフが支援したトイレの前で、近くの川で汲んできた水を使って手を洗う女の子たち。

ユニセフがアフガニスタンで実施するもうひとつの活動は、「健康な学校づくりイニシアティブ」です。これは、子どもたちのための学習環境を整えるだけでなく、子どもたちが家に帰って、学校で得た知識を家族と共有し、そこから地域の人々に知識を広めていただくことを目的とした活動です。子どもたちは、適切な歯の磨き方や石鹸での手洗いを教わり、基本的な応急処置の訓練も受けます。

学校では、このイニシアティブを通じて、子どもたちに飲料水とトイレ、虫下し剤が提供されたほか、地雷の危険に晒されることなく子どもたち同士で安心して遊ぶことが出来る安全な遊び場も用意されました。

「私たちの先生は、衛生と公衆衛生について教えてくれました。私たちの学校には、きれいな飲料水があります。」生徒のひとり、ザハラさん(15歳)はこのように説明してくれました。

持続可能な未来に向けて、ユニセフは、雨水の利用や、太陽光発電、エコトイレなど、新しい技術を使った支援も始めています。

国内外の人々との協力

こうしたユニセフの活動は、地元のコミュニティや若者、政府のみならず、NGOや国連の諸機関、世界各国のユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)、民間企業などとの協力があってはじめて、こうした前進を遂げることができるのです。

こうした国際的な協力(パートナーシップ)を通して、ユニセフは、アフガニスタンの全ての子どもたちが飲料水、改善された衛生施設へのアクセス、適切な衛生習慣を身につけるよう、活動を続けています。