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財団法人日本ユニセフ協会



フィリピン台風緊急募金 第5報
ハイメ君の希望

[2009年10月16日 フィリピン発]

© UNICEF PHI/2009/Palasi
ベネマン事務局長に手紙を読み上げるハイメ君

ハイメ君は、今回の台風の被害が最も大きかった地区の一つである、パサイ市のリベラート・ダミアン小学校に通う6年生ですが、家が浸水してしまったことより、現在は、家族と一緒に学校で暮らしています。この手紙は、ユニセフのベネマン事務局長が、避難所で暮らす被災者を訪問した時に、直接読み上げられたものです。ユニセフは被災した子どもたちが健康を保てるように政府が実施している救援活動を支援しています。

「僕の名前は、ハイメ デ・ベネシア‐ジュニアと言います。2人の兄弟と僕は、リベラート・ダミアン小学校で学んでいます。まさに、今、台風による洪水被害が原因で避難生活を送っている場所なのです。なによりも、水位が早く下がって欲しいです。そうでないと、僕の家は近いうちに崩れてしまうかもしれないです。見ての通り、家の壁や床は、お父さんが働いている建設作業現場で集めてきた廃材で出来ているのです。そもそも、お父さんがそういった場所で働いていなければ、僕の家は建てられることなど出来なかったのです。」

© UNICEF PHI/2009/Palasi
ベネマン事務局長とハイメ君

「もし、家が崩れてしまうと、僕達は住むところがありません。水位が下がったら学校に通いたいです。でも、洪水から逃げるときに、持っていた文房具の多くは水浸しになったり失くしてしまいました。文房具や制服がないと、学校に戻れないのかなあ。」

「僕の夢は勉強を早く終えて、家族を助けることです。働きすぎて、身体がぼろぼろになっているお父さんを見るのはとても辛いです。門番とかでも良いので、仕事が欲しいです。そうすれば、僕達家族のために精一杯働いてくれているお父さんを助けられるからです。お父さんは僕や兄弟がお父さんのようにならないですむ、明るい将来を夢見ています。でも、こういう状態にもかかわらず、僕は感謝の気持ちで一杯です。だって、お金がなくて貧しいけど、家族が一緒にいられる限り幸せだもの。」