子どもの参加・意見の反映
日本ユニセフ協会は、子どもの権利条約の柱の一つである「子どもの参加」を実現するために、様々な取り組みを行ってきました。また、ユニセフ本部のメッセージや報告書の紹介等を通じて、子ども参加の重要性を伝え続けています。報告書の一つである「レポートカード16」は、こども家庭庁、こども基本法成立に向けた国会での議論でも何度も取り上げられ、子ども参加の推進につながりました。これらの経験をふまえて、国の子ども・若者の意見反映の仕組み作りにも参加しました。
日本ユニセフ協会の取り組み
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政府や国連子どもの権利委員会などが計画等を策定する過程で、日本の子どもたちからオンラインやワークショップ等を通じて意見を集め、とりまとめて提出する活動を行ってきました。子どもたちの意見は、それぞれの文書の作成に活かされています。
- 日本政府の「子どもに対する暴力撲滅行動計画」策定過程において、「子どもパブコメ」としてオンラインで子どもたちから意見を募集してとりまとめて提出しました(2019年)
- 国連子どもの権利委員会「一般的意見25:デジタル環境に関する子どもの権利」の策定(2021年)に向けて、「子どもスマホサミット」を開催し、子どもたちの意見をとりまとめて委員会に提出しました。
- 国連子どもの権利委員会「気候変動に焦点をあてた子どもの権利と環境に関する一般的意見26」の策定(2023年)に向けて、「子どもパブコメ2022」としてオンラインで子どもたちの声を募集し、英訳して委員会に提出しました。子どもたちの声は委員会からも公表されています。
そのほか、以下のような取り組みも行い、子どもたちの声を届けています。
- オンラインイベント「日本子どもフォーラム~子どもの権利を基盤とした子ども施策の実現に向けて~」(2021年)
- 子どもの権利条約採択30周年行事:中学生と考える「持続可能な世界」~SDGs達成に向けて~(2019年)
- 子どもたちの意識調査「変わりゆく子ども時代プロジェクト」(2021年、日本のデータが含まれています)
国の仕組みづくりへの参加
2022年9月、当協会は、「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会」において、ユニセフ本部や他のユニセフ国内委員会の協力を得て、先進国で子ども・若者の意見を政策に反映させる常設の仕組みがある国の事例を紹介しました。また、ユニセフ「子どもにやさしいまちづくり事業(CFCI)」に参加する自治体の取り組みも合わせて紹介しました。
これらの事例はその後詳細に調査され、2023年3月に開始された、こども家庭庁の子ども・若者の意見を政策に反映するための「こども若者★いけんぷらす」の仕組みづくりに役立てられました。
*「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会」について
こども家庭庁設立準備室によって2022年8月から2023年2月にかけて検討が進められ、3月に報告書がとりまとめられました。日本ユニセフ協会は第2回の検討委員会に参加しています。