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【1】ベトナムのHIV/エイズ事情と母子感染の現実-その1■ 若者に急増するHIV感染 ベトナムは全人口8,300万人のうちの約半数が20歳未満、国民平均年齢は25歳という大変若い国です。 ベトナムでのHIVの流行は周辺の地域と比べて遅くはじまりました。感染率はHIV/エイズ禍の深刻なアフリカ諸国に比べればまだ低いほうです。 しかし、ここ最近の感染者の増加率の高さは深刻な問題となっています。ベトナムでのHIV感染件数は、1992年に12件だったものが2000年には28,661件に、そして2006年末までに10万件以上と急増しているのです。 HIVに感染した人の半数以上が20−29歳に集中しており、感染者10人のうち1人は19歳未満です。また、感染者の14%が女性です。保健省は2004年までに全国の93%の県、49%の村でのHIV感染を確認しています。 ■ 感染の鎖・・・最後の犠牲者は子ども ベトナムの場合、地域によってHIVの感染経路が異なります。中国に近い一部の地域では、国境が開かれ、麻薬の取引が盛んになるにつれ、まず麻薬常用者にHIV感染が広まりました。カンボジアに近い地域では出かせぎ労働者が、都市中心部では性産業に従事する人が感染のリスクが高いとされています。 現在、深刻になっているのは、こうして感染した人びとから、知らない間に妻や子どもなど家族に感染が広まってしまうことです。 感染は一連の鎖にたとえることができます。最初の鎖は、麻薬常用者。注射の回しうちによって感染が広がります。2番目に性産業に従事している人、3番目に性産業に従事している人と性交渉を行った客、4番目は客の妻やパートナー。そして、最後の鎖が、妊娠中・出産前後、授乳時に母子感染で感染する幼い子どもたちです。 1994年から2003年の10年間にベトナムで妊婦のHIV感染率は10倍以上に膨れ上がりました。
■リ・チ・ヒェンさん 苦悩と希望の720日 〜HIV感染の判明から勇気をつかむまで〜
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