HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > 東ティモール情報 2006/6/14
財団法人日本ユニセフ協会



ジャワ島地震の陰で忘れられた緊急事態
ユニセフ、はしかの緊急予防接種キャンペーンを開始

©Timor-Leste/2006/Ruiz

4月末以来続く治安の悪化により、14万人あまりの人々が避難生活を余儀なくされている東ティモール。ほぼ同じ時期に起きたジャワ島地震の陰に隠れてしまった緊急事態に、国際社会からの支援が求められています。

ユニセフは、現地保健省と協力し、13日、首都ディリで生後6カ月から14歳までの子どもを対象にはしかの緊急予防接種キャンペーンを開始しました。

ユニセフは、本キャンペーンを2週間にわたり展開。最初の1週間で、首都ディリに現在設置されている50以上の避難民キャンプの子ども3万人にはしかの予防接種を実施し、2週目には、一般家庭の子どもたちや、ディリ郊外の避難民キャンプなどにその活動を拡大する予定です。子どもたちには、予防接種と同時に感染症への抵抗力を高めるビタミンAカプセルと虫下し薬が配布されます。

現地で支援活動を続けるユニセフ職員アーノルド・カルロイの報告では、今回の緊急事態が起こる以前のはしかの予防接種率は50%しかなく、治安の不安定さが続く中、長引くキャンプ生活を強いられ、衛生環境の悪化から、多くの子どもたちが、はしか等の感染症の脅威に晒されています。彼らが一人でも多くこの予防接種を受けてもらえるよう、キャンペーン開始に先立ち、地元のボランティアの方々は予防接種キャンペーンの開始を口コミで広げ、ユニセフやNGOは、予防接種の重要性を訴えるチラシを配布しました。

ユニセフは、また、この予防接種キャンペーンを通じて、極度の栄養失調状態にある子どもたちに必要な支援を提供するための調査も平行して実施しています。調査を通じて発見された子どもたちは、重症の場合は病院へ搬送し、軽症の場合は補助栄養食を提供します。東ティモールの子どもたちは、5歳未満の子どもの半数ほどが低体重状態にあったほど、もともと一般的に栄養状態が悪く、今回の緊急事態がその状況を一層悪化させていることが懸念されます。

ユニセフは、こうした保健・栄養分野の他、飲料水、衛生、子どもの保護(心のケア)等の分野で活動を続けており、国際社会に280万ドル(約3億2000万円:8日現在)の緊急支援を求めています。