
ウムのストーリー
幼稚園などの就学前教育が普及していないブルキナファソ。幼稚園は学校教育の準備となり、小学校での学習の遅れや、中途退学を減らすことにつながります。
4歳の女の子ウムは、村の幼稚園に通い始めました。幼稚園は、これまで日中にウムの世話をしていたお母さんやお姉さんの日常生活も大きく変えることになりました。
こちらから
ユニセフは、ブルキナファソ政府とともに、すべての子どもが小学校に通い、質の高い教育を受け初等教育を修了できることを目指しています。ユニセフのこれまでの支援や、ブルキナファソ政府が3歳から16歳の公立学校の費用を無償化したことで、子どもたちの就学状況には着実に成果が出ています。小学校の就学率は2000年の44%から2019年には89.5%にまで改善され、女子の就学率が男子の就学率を超えるなど、男女の教育格差の解消に向けた前進も見られます。 一方で、教育の質、小学校の修了率・幼稚園/中学校の就学率の低さ、地域、経済・社会状況による格差といった点で大きな課題を抱えています。また、近年、隣国ニジェール、マリと国境を接している地域では、武装勢力の襲撃などにより治安状況が悪化しています。その結果、学校が休校になるなど、子どもたちの教育機会が奪われており、小学校の就学率・修了率にも影響がでています。
幼稚園の総就園率 | ||
---|---|---|
2010年 | 2016年 | 2024年 |
2.8% | 2.9% | 6.9% |
小学校の総就学率※ | ||
2010年 | 2016年 | 2023年 |
74.8% | 86.1% | 78.2% |
小学校の修了率 | ||
2010年 | 2016年 | 2023年 |
45.8% | 57.9% | 54.5% |
治安情勢の悪化による学校の休校などの影響により、一部地域で子どもたちの就学状況が悪化しています。
ユニセフは2024年、武装勢力の影響により避難を強いられた子どもを含め、より多くの子どもが教育の機会を持てるよう、国内避難民を受け入れている地域へ支援を拡大しました。
ブルキナファソのすべての子どもが、清潔で安心できる環境の中で、質の高い教育を受け修了できるように、ユニセフが開発し推進してきた「子どもにやさしい学校」モデル。ユニセフは、ブルキナファソの教育省からの要請で、2011年から4年間、モデル事業として、ガンズルグ州、ナメンテンガ州でスタートしました。
2016年、モデル事業で成果が出たことから、教育省は「子どもにやさしい学校」を国内のすべての学校に導入することを決定しました。これを受けて、日本の皆さまからのご協力により、国内すべての学校に「子どもにやさしい学校」のガイドブックが配布され、教員や学校関係者によって活用されています。2017年からは、教員研修にもこのモデルが取り入れられています。
日本の皆さまからのご支援で2014年から2020年までに2,008校の小学校で「子どもにやさしい学校」モデルが導入され、460,560人以上の子どもたちがより良い環境の中で質の高い授業を受けることができるようになりました。
ユニセフは、子どもを第一に考えた学校であること、障がいのある子どもを含むすべての子どもを受け入れられる学校であること、学校運営に子ども自身や地域社会に参加してもらうことを目指して、校舎・教室の建設や修繕、教材の配布などのハード面と、教員研修や保護者・地域社会への啓蒙活動などのソフト面の両面で支援しています。
幼稚園・小学校の校舎の建設や、男女別トイレや手洗い場の設置を行っています。
2019年の調査では、ブルキナファソの学校の52.6%で安全な水を利用できず、70.4%の学校でトイレがありません。トイレが設置されている学校でも、わずか27%しか男女別のトイレが整備されておらず、思春期を迎えた女の子たちが生理期間中に学校に通えなくなるなど、教育の妨げになっています。また、感染症対策としても、水と衛生環境の整備は重要です。
動画 「日本の皆さまからのご寄付で建設された学校訪問記」
学校に男女別トイレが必要な理由 >(2017年10月更新)
学校の井戸がまた使えるようになったよ >(2020年4月更新)
雨風にも負けない新しい校舎ができました >(2021年12月更新)
ユニセフは、クラブ活動を通じて、子どもたちが自由に自己表現することを学び、社会性を身につけて能力をのばすことができるように、すべての学校でクラブ活動が取り入れられることを目指しています。
子どもたち自身で、菜園クラブや勉強クラブ、衛生クラブなどを立ち上げ、これまでに200校がクラブ活動を取り入れています。ユニセフは、園芸道具や体育用具など、クラブ活動に必要な備品も提供しています。
また、女の子が生理を理由に学校に通えなくなることを防ぐための「月経に関する衛生管理クラブ」があります。
クラブでは、月経に関連した社会的偏見や差別と闘うことや、女子生徒に生理の処理方法を教えることを中心に活動し、月経の問題について男女問わず知識を得ることを目指しています。
動画 「子どもたちのクラブ活動」
ユニセフは教育省やパートナー団体とともに、子どもたちが教育の機会から取り残されないよう、学校の新年度が始まる前の9月に「学校へ戻ろう」キャンペーンを行っています。子どもの権利、教育の重要性、子どもの学習に影響を与える社会的規範を保護者や地域住民に伝える啓発活動です。
2024年は、ジャーナリスト約100人への、緊急事態下における教育や「学校へ戻ろう」キャンペーンに関する情報提供、地元のラジオ番組の活用、10月の新学期開始に関するメディア報道などを組み合わせることで、児童21万6,245人と国内避難民7万6,034人が新学期を迎えることができました。また、子ども4万2,400人以上に学習キットを配布しました。
隣国ニジェール、マリと国境を接している地域では、武装勢力により治安状況が悪化し、学校が襲撃の標的にされるケースも発生しています。学校を子どもたちが安全に安心して学べる学習環境にするために、緊急事態時を想定した校内訓練の実施や心理社会的ケアの提供などの「セーフスクール」プログラムを展開するなど、学校の安全を確保するための取り組みを加速させています。
安心できる学校で学びたい >(2022年3月更新)
避難生活の中でも学校に通い続けたい >(2022年10月更新)
国内避難民の子どもたちが再び授業を受けられるよう、ユニセフは国内避難民を多く受け入れる地域で支援を行っています。学校の教室不足を解消し、学習に適した安全な環境を整えるため、ユニセフは2024年、仮設学習センターを35カ所に開設し、既存のセンター50カ所を修復しました。その結果子ども4,988人が避難先でも教育を継続できるようになりました。
避難民の子どもたちが勉強を続けるために >(2025年3月更新)
© UNICEF/UNI729913/Zongo
「子どもにやさしい学校」を実現するために、「スピード学習*」など、子どもを中心とした参加型の教授法や子どもの権利、衛生・栄養教育などについての教員研修を実施しています。
また、教育省とともに約30年使用されてきた小学校のフランス語や算数の教科書、就学前教育のための単語の練習帳の改定作業を進めています。テクノロジーや環境問題といった時代背景を反映させ、子どもたちがより適切な教育を受けられることを目指しています。
*早い段階で子どもたちがアルファベットの読み書きを習得できるよう、最初に発音を教えて、その発音と関連付く単語を子どもたちが考えて作りながら学んでいく方法。
動画 「校長先生インタビュー」
2023年、教育カリキュラム改革の一環として、幼稚園と小学校で使用する教材10種を新たに作成しました。また、公用語のフランス語、算数等の小学校の教科書2,000部を提供しました。
ブルキナファソの農村地域の多くには電気が通っていないため、放課後、子どもたちが自宅で宿題や試験勉強ができませんでした。ユニセフが、太陽光発電式ライトを配布したことで、日没後も子どもたちが勉強できるようになりました。2015年〜2016年で、合計3万個のライトを子どもたちに配布しました。
動画 「ライトで変わった子どもたちの生活」
動画 「夜でも勉強できるように」
ブルキナファソの大きな教育課題のひとつに、学校に通っていない子どもたちの復学や就学があげられます。学校を中退してしまった子どもたちが復学できるように、勉強の遅れを取り戻す補習授業の支援をNGO団体とともに行っています。また、学校に通えず教育の機会を逃してしまった子どもたちを対象に、識字教育や短期集中授業、職業訓練の支援を行っています。
学校に通っていない子どもたちが基礎的な学習スキルを身につけ、学力に適した学年で就学できるよう、また、中退した子どもたちが再度、教育の機会を持てるよう、勉強の遅れを取り戻すための補習教育プログラムを実施しています。2023年は、6月中旬から始まる夏休みに、小学校60校で補習授業を実施し、参加した子ども15,823人にリュックサック、ノート、鉛筆などの学用品を配布しました。また、WFP(国連世界食糧計画)と連携して、給食も提供しました。その結果プログラム修了後は、治安悪化の影響を受けた子どもたちを除く2,243人の子どもたちが、新学期に学校に戻ることができました。
補習授業を通してふくらむ将来への希望 >(2024年3月更新)
2024年には、学校に通うことができない、より多くの子どもたちが勉強できるよう、65クラスの教員130人に午前と午後の二部制により効果的に授業を行う方法について研修を実施し、児童6,006人が授業を受けられるようになりました。
動画 「学校に通っていない子どもたちへのプレゼント
2023年、学校に通っていない若者2,483人を対象に、現地NGO団体との協力のもと、職業訓練を実施しました。訓練コースは、理髪、配管工事、携帯電話の修理、タイル張り、縫製、食品加工、畜産、電気等、多岐にわたり、理論と実技の両方を学ぶことができます。
職業訓練校―困難な状況にある女の子のために >(2022年3月更新)
動画 「職業訓練校に通うシアカくんの物語」
国内避難民が集中する地域で、短期集中型の授業を実施するために、2023年新たに30カ所に学習センターを開設。これまでに学校に通ったことがない9~12歳の子ども900人が、次年度の就学を目指して学べるようになりました。一方、緊急事態下における授業の進め方について教員302人に研修を行いました。
2020年、新型コロナウイルス感染症の感染防止のために、3月15日からすべての学校が休校になりました。
休校中も子どもたちが勉強を続けられるように、ラジオの教育番組の放送が全国で開始されました。このラジオ番組は武装勢力の襲撃などにより治安が悪化しているサヘル地域で学校が休校になったため、2018年末より試験的に開始されたものでしたが、コロナウイルスによる全国での休校措置を受け、急遽、全国に拡大されました。
休校中はラジオが先生です >(2020年10月更新)
ブルキナファソでは、障がいのある子どもたちを受け入れる環境が整っておらず、身体的な障がいのある子どものわずか27%しか教育を受けることができません。
2024年は、学校に通えなかったり、中途退学したりするリスクが高い障がいのある子ども525人が、学校に通い続けられるよう支援しました。そのうち女の子196人が、女子専用の寄宿学校に通うための奨学金を受け取りました。
アニマータさんの物語 >(2017年10月更新)
イスフくんの物語 >(2020年4月更新)
©UNICEF/Burkina Faso/2016/Tarpilga
日本の皆さまからのご寄付がどのようにブルキナファソの子どもたちに届けられ、未来を変えているのでしょうか?
ブルキナファソのある村の3人の子どもたちの成長をつづったストーリーを通じて、お伝えします。
ユニセフは、ブルキナファソにあるソコロニ村で新しい試みを始めました。同じ敷地内に3つの学校(「幼稚園」「小学校」「職業訓練校」)を設置したのです。
「村のすべての子どもたちに教育の機会を提供する」という目標は、子どもたちの年齢や就学状況によって教育のニーズが異なる中で、達成が難しい課題でした。それぞれの子どもたちのニーズに合った3つの学校が村にあることで、すべての子どもたちが教育の機会を得られることをユニセフは目指しています。3つの学校は、子どもたちの未来を大きく変えただけではありません。村人たちの教育に関する意識が変化し、学校運営に積極的に関わるようになり、村全体に大きな変化をもたらしました。
3人の子どもたちが学校に通い、どのような生活を過ごしているのか、その後のストーリーも掲載しています。
年度別の詳しい活動報告はこちらからご覧ください。
※「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム スクール・フォー・アフリカ」支援レポートより
ユニセフ・ブルキナファソ事務所やアフリカの地域事務所で勤務する日本人職員による報告会を開催しています。