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財団法人日本ユニセフ協会

マリ、人と水のストーリー(2)

「水と生活−2」

「井戸がやってくる」
5月9日、ジリジェラ村に井戸を作るためのセレモニーが開催、村の人たちの熱烈な歓迎を受けました。 マリの民族衣装のあざやかさに私の目はくぎづけ、歓迎のダンスの輪に、私も飛び入り参加しました。

大喜びの村人たち!

大喜びの村人たち!

©日本ユニセフ協/2007/Hisashi

村の人たちからも大喜び!

ディッコ家の女性たちとユニセフ・スタッフのトゴタ
©日本ユニセフ協会/2007/Hisashi

 

村長やユニセフ、知事のスピーチを通して、この井戸が村の人たちに健康をもたらしていくこと、村の人たちはこの井戸を大切に使い続けることが約束されました。セレモニーから1週間たたないうちに、井戸の掘削は終了、手押しポンプが取り付けられ、水が出てくるようになりました。

「畑を作ろう!」

ポンプを取り付ける日に、再びジリジェラ村に向かったところ、井戸のそばにあった木の枝が切り落とされていました。「井戸のそばに畑を作ることにしました。水があれば野菜を育てることができます。」とのこと、ディッコ家の女性たちが木に登り、枝を落とし、畑のための場所を枝で囲っていたのでした。
野菜がとれるようになれば、空腹からのがれ、栄養状況も改善します。その野菜を市場で売ることができれば、お金が足りずに学校を辞めることになった子どもたちが、再び学校に通える日も遠くはないかもしれません。

インタビューに答えるディッコさん

インタビューに答えるハリマトュさん
©UNICEF/Mali

 
「新しい生活」

マリから帰国したのち、マリ事務所のスタッフがハリマトュ・ディッコさんを訪ね、話を聞きました。
「井戸ができてから、何かかわったことはありますか」との問いに、ハリマトュさんは恥ずかしそうに笑いながら、答えてくれたといいます。
「これまでは、よく腹痛やカゼにかかりました。しかし、新しい井戸の水を飲むようになってから、病気にかからなくなりました。今は1日に2回食器を洗い、衣類を洗濯することもできます。ポンプができる前は、洋服がいつも汚れていたので、人に会いに行くのを恥ずかしく思っていました。これからはそんな思いをすることもありません。」

新しい井戸から出る水は、ハリマトュさんたちの生活に、水以上のうるおいをもたらしてくれることを実感しました。村を出るとき、ディッコ一家のお父さんが「一年後、また私たちの村を訪ねてください。どれだけ私たちの生活がよくなったか、見に来てください。」と言ってくれました。ひとつの井戸が、どれだけ生活を変えていくのか、村の人たちがどんなふうに取り組んでいくのか、見守り続けたいと思います。

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