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財団法人日本ユニセフ協会



スマトラ沖地震緊急募金 第2報
一部で学校が再開。飲料水、衛生、予防接種、子どもの保護の支援も本格化

【2009年10月6日 インドネシア発】

© UNICEF Indonesia/2009/Estey
ユニセフが支援した臨時教室の中で、物理のクラスを受ける10年生の子どもたち。地震発生から一週間未満に、ユニセフはこの地域に250の臨時学校用テントを提供しました。

ユニセフ・インドネシア事務所は、5日(月)、スマトラ沖地震被災地での緊急支援活動の状況を以下のように伝えてきました。

安全な水と衛生的な環境を確保するために

現在、コタ・パダン、パリアマン、アダムの3地域での本格的な支援活動を準備しています。アダム地域では、上水道設備が全く機能していません。人々は、トイレとしても使っている川の水を使っている状態です。

ユニセフは、今日も、メダンの物資備蓄倉庫から、飲料水用ポリタンク1560個、仮設飲料水用タンク50基と、衛生用品キット1200個を被災地に向けて発送しました。これらの支援物資は、6日中にパダン到着する予定です。

感染症から子どもたちを守るために

ユニセフは、破傷風ワクチン4万本と、ワクチン貯蔵用冷蔵庫のための発電機を被災地に送りました。感染症の脅威から子どもたちを守るために、一週間以内に、大規模な予防接種キャンペーンをスタートさせる予定です。

「人工乳」の脅威

本日、栄養分野で活動する9団体が会合を持ち、一部で「支援物資」として地元企業などから赤ちゃん用人工乳が無償で被災民に提供されはじめている現状に対する危機意識を共有しました。このため、本分野で活動する団体は、妊産婦の発見と登録作業を進めることを合意し、またユニセフは、地元企業に対し、「支援物資」としての人工乳の提供を止めるよう要請する予定です。

© UNICEF Indonesia/2009/Estey
スマトラ沖地震被災地で、ユニセフが支援した臨時教室用のテントを組み立てる現地スタッフ。

「安心できる空間」=学校の再開

教育分野で活動する11団体も、本日会合を持ち、一日も早く「子どもが安心できる空間」としての学校の再開を図るため、次の方向性で支援にあたることを確認しました。

  1. テントを用いた仮設教室を設置
  2. 「箱の中の学校」を含む教材の配布
  3. カウンセリングなど、学校を拠点にした「心のケア」

こうした中、被災地では5日、ユニセフが提供した教室用テントを用いて、複数の学校が再開。パダンだけで6万8000人の子どもたちが学校に元気な姿を見せました。ユニセフは、現在も追加の支援物資を被災地に送り続けており、6日には、「箱の中の学校」60セットと遊び道具などが入った「レクリエーションキット」60セットが、パダンに到着する予定です。

身寄りを失った子どもの保護

「子どもの保護」の分野でも、関係する人道支援団体が会合を持ちました。現在までのところ、保護者を失った子どもたちに関する情報はほとんど入ってきていませんが、今回の地震や被害の規模を考えた時、相当数の子どもたちが親などの保護者を失っていることが容易に想像されます。このため、ユニセフをはじめとする人道支援団体は、こうした子どもの発見と保護に力を注ぐことで合意しました。