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アフガニスタン緊急・復興支援 第11報
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© UNICEF Afghanistan/2010/Walther |
アフガニスタンのジャラバットで、ワクチンを受けたことを示す印を付けてもらう男の子。重複して打ってしまわないように印をしている。 |
アフガニスタンで初となる予防接種週間が始まりました。これにより、何千人もの子どもたちがより健康になるでしょう。
イベントは、世界マラリアデーにあわせて、4月25日にスタートしました。ユニセフと世界保健機関(WHO)が、国中の子どもたちが、命にかかわる病気から守られるよう、アフガニスタン政府と協力して活動しています。
© UNICEF Afghanistan/2010/Walther |
経口ポリオワクチンを受ける男の子 |
「全ての子どもたちを病気から守られなければなりません」とユニセフ・アフガニスタン事務所代表のキャサリン・ムベング氏は言います。「たくさんの命が失われ、病気の子どもたちを治療するためにお金や医療物資が使われました。はしかやポリオ、破傷風、インフルエンザに対する予防接種など、予防のために使用していたら、亡くなる子どもや病気になる子どもの数も減るなどもっと良い結果になっていたでしょう。」
「協力しあうことで、子どもたちを病気から守ることができるのです。」とムベング氏は話します。
「アフガニスタンでは、ワクチンを接種していない子どもが年間約180,000人います。」とWHOアフガニスタン代表のピーター・グラフ氏は言います。「予防接種を受けていない人たちの一部は、治安のよくない場所に住んでいて、基本的な保健サービスへアクセスできません。他にも、予防接種の重要性が分からないために予防接種を受けていない人もいます。」
アフガニスタンでは、予防可能な病気への予防接種事業において大きな進歩が見られます。代表的なものとしては、2006年につくられたモニタリングやサベイランスのための国内ネットワークといった早期病気発見システム、はしかの予防接種を実施する地域の拡大、B型肝炎やインフルエンザのワクチンの導入などがあります。
今日では、2700人以上の医療関係者が、保健センターや、出張して行うアウトリーチプログラムや移動式保健サービスで通常のワクチン接種を行っています。2009年だけでポリオ予防接種の日は6回行っており、ポリオ予防接種を受けた5歳未満の子どもの数は約750万人になります。
© UNICEF Afghanistan/2010/Walther |
国で初となるワクチン週間の立ち上げにて。ユニセフ、WHO、アフガニスタン政府の代表と子どもたち |
「治安の良くない地域や、家から保健センターまでが遠く離れているところは、子どもたちに予防接種を受けさせる活動をする上で大きな障害となります」、とWHO緊急医療担当事務次長エリック・ラロシェ博士は言います。「しかし、全ての人に予防接種を受けてもらう、つまり、子どもの健康を第一優先するということは、どの機関も同意しています。」
アフガニスタンにおける、公衆衛生のもう一つの課題はマラリアです。マラリアは国の罹患率と死亡率の大きな原因の一つです。2009年には約400,000人がマラリアにかかったと報告されています。
世界マラリアデーに、国で初めてとなるワクチン週間を立ち上げることで、アフガニスタンの保健当局と関係機関は、命にかかわる病気に立ち向かうことを優先しているということをはっきりと伝えています。国のマラリア抑制プログラムでは、次の5年間で、アフガニスタン北部からマラリアをなくすことを目標としています。
「この予防接種週間で、私たちは、病気予防をする全ての関係機関に、ポリオやはしかといった予防できる病気を第一優先に対応していこうと再度呼びかけています。」とユニセフ・アフガニスタン代表ムベングさんは言います。「私たちはこれからも一緒に子どもたちを守っていきます。」