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財団法人日本ユニセフ協会



ガザ人道支援 第10報
ガザの子どもたちを救うためユニセフ、30億円あまりの最新アピールを発表

【2009年1月26日 ニューヨーク発】

© UNICEF Gaza/2009/Iyad El Baba
ガザの停戦実施を受け、学校が再開された初日、学校の被害状況を確かめる女の子。

何十万人ものガザの子どもたちが、再び学校に戻り始めた今、ユニセフは教育に必要な機器や資材を提供し、ガザの子どもたちが学習とレクリエーション活動を再開し、安全な環境を整え、普段の生活に近い環境を取り戻せるよう支援しています。

「学校が再開された日、私は、学校が害を受けているだろうことは予想していました。戦争のための兵器は、人間も、石ころも何も残さなかったんですから。でも、最初に教室に入ったとき、ショックを受けました。教室は破壊され、窓ガラスは割られ、あらゆる場所が、あの武力衝突を思い出させるものだったんです。」ハナディ・アケーラさん(17歳)は話しました。

臨時の学習空間

1月26日、ユニセフ・パレスチナ自治区事務所のパトリシア・マックフィリップス代表は、ガザ北部のベイトラヒヤを訪れました。ここには、崩壊した女子学校のために、臨時の学習空間として、ユニセフのテントが提供されています。今後増えるであろう子どもたちを受け入れるため、さらに4張のテントが設置される予定です。

「ユニセフは、パートナーと協力して、ガザの子どもたちのために、安全な空間を設置し、教育資材を支援しています」と、マックフィリップ代表。「学校の再開は、子どもたちがふれあい、遊び、日常生活を取り戻し、苦悩に打ち勝つために、子どもたちに重要な機会を提供しているのです。」

1月26日、学齢期のガザの子どもたち1万400人のために、ユニセフは、教科書、ペン、鉛筆などの物資を含む「スクール・イン・ア・ボックス」130セットを提供しました。また、6,700人以上の子どもたちにスポーツ用具、その他の娯楽用品などを含んだレクリエーションキットを約85セット、4,200人が学習できる算数と科学キットも提供しました。

学校の破壊
© UNICEF Gaza/2009/Iyad El Baba
ユニセフの学校資材を受け取るガザの子どもたち。武力衝突の影響で学校が破壊さえた子どもたちは、テントで臨時の学校を再開した。

第一次報告では、7つの学校が全壊、多くの学校が影響を受けたと推定されています。教科書や文房具などの教育資材も失われました。なんとか残った学校は、破壊された学校の子どもたちを受け入れているため、2〜3回の交代制を組んで授業を行っています。先生たちは、子どもたちが日常生活を取り戻すための手助けを始めています。

「女の子たちは、それぞれ自分たちの経験について話しました。教師たちでさえ話をさせてほしいと言っていました。それぞれの子が、悲しく辛い話を心の内に秘めていました。」英語を教えているミャソウン・アル・エマウィ先生は話しました。

「児童・生徒が命を落とした教室では、怖がって教室に入ろうとしない子や、亡くなった子と同じ席に座ろうとしない子たちもいました。」

また、ユニセフは、不発弾の危険性を懸念し、ガザの学校地域の不発弾撤去を最優先課題として行うよう働きかけてもいます。たくさんのパンフレットを配布している他、ラジオでメッセージを流したり、子どもたち用のゲームに警告を促すプリントを付けたりして、積極的に警戒を呼びかけています。

教育省は、学校の出席率が80パーセントになったことを報告しました。国連パレスチナ難民救済事業機関は、ガザの19万6,000人以上の子どもたちのために、学校再開を支援しています。

1月9日以降、ユニセフは、国際社会に対し、随時、支援の要請を繰り返してきました。こうした ユニセフの要請に対し、日本全国から、既に1000万円を超える募金が寄せられ、また先月23日には、各国政府に先んじて、日本政府はユニセフに対し300万ドルの緊急支援の拠出を決定しました。しかし、2日、国連が共同アピールを発表するにあたり、他の国連機関・人道支援機関とともに現地のニーズと活動計画を見直し、ユニセフとして、改めて日本円で30億円あまりの支援を要請しました。