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津波から2年:スリランカの青年、復興活動を振り返る

【2006年12月、ニューヨーク発】

© UNICEFSriLanka/2004/ Abesingha

2004年の12月に津波が発生する以前のルシル・アベシンハさん、当時18歳。

ルシル・アベシンハさんは、スリランカで4つの子どもセンターのコーディネーター(取りまとめ役)として働いています。これらのセンターは、2004年12月26日にスリランカ沿岸を襲った津波によって被害を受けた子ども達のために設置されたものです。

現在20歳のルシルさんは、学校を卒業してすぐにこの仕事に就きました。ルシルさんはもともと卒業後は他の仕事に就くことを考えていましたが、2年前の津波はスリランカの人々の生活を大きく変えてしまったのだと、彼は話します。

ルシルさんは、津波発生から数週間後にユニセフラジオを通じて、彼が体験した津波の恐怖を語ってくれました。不幸中の幸いで、ルシルさんの家はスリランカのなかでも被害の少なかった地域に位置していたため、津波による全壊を免れました。彼は友人たちとともに、学校の再建や家を失った子どもや家族のために必要な物資を提供する活動をしていると話してくれました。

当時、ルシルさんの学校は試験期間中でしたが、津波直後の混乱した状況を収拾するための活動を優先しなければなりませんでした。

新しい住居、水、電気

津波発生直後から、スリランカには外国からの支援物資や支援団体がぞくぞくと到着し、スリランカの人々の生活を「津波発生前よりも良くする」ための活動を続けています。これらの支援の大半はスリランカの復興にとって効果的であったと、ルシルさんはいいます。

「多くの人々が新しい家を手に入れて、学校も再建されました。」ルシルさんは報告します。「津波発生以前には浜辺の掘っ立て小屋で生活していた人が、復興活動の結果電気や水の通った高台の新しい家を手に入れた例に見られるように、実際復興活動によって津波発生前よりも生活環境が改善される場合もあります。」

しかし、この2年間スリランカの復興のために様々な活動が行われたのにもかかわらず、ルシルさんは、コーディネーターを務める子どもセンターで子ども達と接するたびに、津波発生以前と同じ状況には戻れないと感じます。

「家や親を失った子どももいます。中には、津波によってすべてを奪われてしまった子どももいるのです。」

立ち直る力のある子ども達

ルシルさんは、津波が子どもたちに与えた影響の大きさを実感しながらも、子どもたちは心に受けた傷を大人よりも早く簡単に癒すことができると信じています。「子どもたちは大人に比べて、早く立ち直ることが出来るようです。津波のような災害を乗り越える力を持っているのです。」

「子どもたちは大人たちと見方が違います。大人たちが座り込んで状況を把握しようとするのとは対照的に、子どもたちは困難な状況にあっても遊び、笑います。子どもたちは周囲で起こっている状況についてあれこれ心配して気が滅入ってしまうということも少ないのです。」

ルシルさんと仲間たちは、彼の住む地域の子ども達のために、津波によって多大な被害を受けたスリランカの復興活動に取り組んでいこうと決心しました。


なお、スマトラ沖地震・津波被災地に対するユニセフ復興募金は、2005年6月24日をもって受付を終了いたしました。本募金に対しては、半年間にわたって日本全国から多くのご支援をいただき、募金額はおよそ33億4千万円にのぼりました。皆様のご支援ありがとうございます。

当協会では、紛争や災害など緊急事態に直面している地域の子どもや女性のための緊急募金の受付を行っております。みなさまの継続的なご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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