財団法人日本ユニセフ協会



 

「津波から3年」ユニセフの支援活動報告

●スリランカ

-教育 -

© UNICEF Sri Lanka/2006/Mead
新しく建てられた学校の外で遊ぶ子どもたち。

計画された32校のうち8校が完成しており、5,050人の子どもが、改善された水と衛生設備を備えた質の高い「子どもにやさしい学校」に通えるようになりました。さらに5校が2007年末までに完成する予定です。

-水と衛生-
ハンバントタ県のタンゲイルとアンパラ県のティルッコビルでは、12万9,000人に水を供給する2つの大規模給水計画が進行中です。現在3分の2が完成しているタンゲイルの新しい施設は、1950年に建てられた現在の施設を大幅に拡大するものです。目標は、供給量を3倍にして、来年の始めには内陸地域の1万8,000戸の家庭に安全な水道水を供給することです。現在23%が完成しているアンパラ県のプロジェクトは、2008年末までに終了する予定です。

-保健と栄養-
2007年には3つの病院の修復など、8ヶ所の保健施設が完成し、津波後に建設または修復された保健センターは合計27施設、27万8,000人が利用できるようになりました。さらに2007年、120ヶ所の診療所がスタッフの研修や物資供給などの支援を受け、津波後の累計では1,238施設が支援を受けました。

-子どもの保護-
ユニセフは30のパートナー団体と協力し、レクリエーション活動や学校・地域に根ざしたサービスを提供し、6万5,000人以上の子どもとその家族に精神的支援を行っています。教育省の協力のもと、現在、教育システムを通して津波の被害を受けた地域の600校以上で、心理的アプローチの全国行動計画が実施されています。

●タイ

© UNICEF/ HQ05-2114/Bannon
給水ポイントで、容器に水を注ぐ子どもたち。

-水と衛生-
2007年には、131校(3万1,000人の子ども)が改善された水と衛生設備を利用できるようになり、4万6,000人の生徒が基礎衛生教育を受けました。

-教育-
2007年、124校を対象にした子どもにやさしい学校事業により、2,000人以上の教員と3万1,000人以上の生徒がその恩恵をうけ、さらに津波の被害を受けた地域の学校の30%以上が子どもに優しい事業の実施を予定しています。

-保健と栄養-
ユニセフが支援する保健サービスにより、約20万人の子どもたちの毎月の体重測定を受け、栄養不良の早期発見や迅速な対応を確実にしています。ユニセフの資金的支援が終了したあとも、体重測定プログラムは続けられています。

-子どもの保護-
津波で両親を失った1,700人以上の孤児の追跡と引き取られた生活環境の再評価が行われました。引き取られた子どもの生活環境が望ましくない場合は、政府機関に照会されました。子どもの保護サービス強化や、コミュニティの意識変革と活動により、被災した10地域の子どもたちが恩恵を受けました。

- HIV/エイズ -
2007年には、約8,000人の若者が、生徒同士で教えあうピア・エデュケーションを通して、HIV感染に対する意識や防止のためのスキル向上に取り組みました。

●本部・地域事務所

ユニセフの地域事務所は現地事務所の津波復興プログラムを支援し、得られた経験を生かして、どのようにユニセフが地球規模で緊急事態に対処していけるのかという点で、幅広い改善方法を模索しています。津波プログラムには、様々な組織が活動を行う緊急事態において、各活動分野の中で主導機関とサポート機関の役割分担を行うというクラスター・アプローチが採用されました。世界的には、ユニセフは水と衛生、栄養、教育の分野で活動を主導しています。クラスター・アプローチは、津波後、世界中で14の緊急事態で応用されています。

本部は、津波の緊急支援時の大量の物資調達を管理し、この経験を生かして20カ国の現地事務所の物資調達管理システムを立ち上げ、物流担当者や事業担当官が物資の納期や質、費用をより効率的に管理できるようになりました。

 

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