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アフリカ情報

チャド:何千人もの子どもたちがさらなる栄養不良に

【2010年5月13日 チャド発】

イッセンちゃん(1歳6ヵ月)がチャド西部にあるムソロの栄養不良治療センターに運ばれてきたとき、イッセンちゃんが治療を受ける必要があることは疑いようがありませんでした。

センターで子どもたちの治療にあたっている栄養を専門にしているファティムさんは、すぐにイッセンちゃんの異変に気がつきました。栄養状態を診断するために、イッセンちゃんの上腕の周囲を測ると、子どもの栄養状態を緑・黄・赤の三色で示す計測用メジャーは赤いラインを通り越し、非常に危険な状態であることを示していました。

広がる危険
© UNICEF Chad/2010/Gangale
チャドのムソロにある栄養不良治療センターで、栄養価の高い食事を取った後、手洗いの方法を学んでいる。

イッセンちゃんは、特別な例ではありません。チャドで支援を必要としている何千人もの重度の栄養不良の子どものひとりなのです。今年までに、ムソロにあるこのセンターを含むユニセフが支援している治療センターには、通常の2倍の数の栄養不良の子どもたちが入院しています。

ムソロは、アフリカの半乾燥サヘル地域に属しています。この地域の急性栄養不良の子どもたちの割合は、危険域である15パーセントを越えた状態が10年間続いています。さらに、今年、この地域の雨季は変則的で、降雨量も平均を下回っており、食糧不足がさらに悪化するものと見られています。人々はすでに備蓄している食糧を使い果たしている状況です。家畜は死に、作物も枯れています。

チャドでは、2009年4月から、栄養不良を撲滅するために、コミュニティを基盤としたネットワークが確立しました。支援チームが村から村に回り、コミュニティから選ばれたボランティアの方々を訓練し、栄養不良の子どもを見つけ、場合によっては外部の栄養不良センターへ連れて行くように指導します。保健当局は、こうした地元の活動を通して栄養不良に陥っている子どもたちを確認し、早期に治療を行うことを期待しています。

こうしたチャドの危機的状況に取り組むため、2010年、44箇所以上の栄養不良治療センターが開設される予定です。

治療用の食事
© UNICEF Chad/2010/Gangale
チャドのムソロにある栄養不良治療センターで、母親のエタ・ブライムさんに抱かれるイッセンちゃん(1歳6ヵ月)。ヒッセネちゃんは、このセンターで治療用の食事を与えられている。

イッセンちゃんと母親のエタ・ブライムさんは、治療センターの小さな部屋に座って順番を待っていました。センターは、重度の急性栄養不良に苦しんでいる多くの子どもと母親たちで溢れかえっていました。症状が深刻な子どもたちは、症状を改善させるための特別な食事と医療ケアが必要です。栄養不良治療センターでは、毎週、母親たちに子どもたちのための治療用の食事が配られています。

イッセンちゃんは、栄養の専門家による診断を受け、調理なしですぐに食べられる栄養補助食を処方されました。衰弱していたイッセンちゃんは、初めはこの補助食を吐き出してしまい、食べることができませんでした。しかし、ブライムさんは、何度も何度もピーナツバターのような栄養補助食品を指につけて与え続けました。イッセンちゃんは、ついに補助食を飲み込み、苦しそうな顔をすることがなくなりました。

イッセンちゃんは、2ヵ月間栄養不良で苦しんでいましたが、ブライムさんは、町の病院に連れて行くだけの経済的な余裕がありませんでした。しかし、コミュニティの活動チームが、すぐに治療を受けにムサロに行くように話し、次の日の朝早く、ブライムさんは、イッセンちゃんと一緒に町へ向かいました。ブライムさんの夫は、その他の4人の子どもと飼育している家畜と共に村に留まりました。

日々の生活と希望

イッセンちゃんは、明るい色使いの治療用補助食品の包みを握りしめ、もっとほしいと泣いています。イッセンちゃんの食欲は戻りつつあり、ブライムさんは、とても嬉しそうです。イッセンちゃんが回復する日も間近でしょう。また翌週、ブライムさんは、栄養豊富な補助食品をもらうため、再びムソロへ行く予定です。

今年の生活が厳しいかどうか尋ねると、ブライムさんはうなずきました。ブライムさん一家は、ほとんどただ同然でヤギを売らなければならなかったと話しました。痩せたとうもろこしだけが、ここに暮らす人々の唯一の食糧です。しかし、生きるためにより多くの栄養を必要とする幼い子どもたちには、これだけでは十分ではありません。

ブライムさんは、売るヤギがなかったら、どうなるのか分からなかったと話しました。「その日の生活に望みをつないでいます」と、ブライムさん。「ここで何が起きているのかを世界中の人に話してくれれば、もしかしたら私たちを助けてくれるかもしれません。」

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