財団法人日本ユニセフ協会



コンゴ民主共和国:日本政府、コミュニティ参加による
子どもたちに優しい環境づくり支援に668万米ドルを拠出

【2010年4月29日 キンサシャ発】

© UNICEF/NYHQ2008-1319/Holt
コンゴ民主共和国のゴマにあるユニセフが支援する保健センターで子どもに予防接種を受けさせるために並ぶ人々。

コンゴ民主共和国のムワング・ファンバ初等・中等・職業教育大臣立会いの下、日本政府は、4月28日、ユニセフがコンゴ民主共和国のエクアトゥール州、カサイオリエンタル州、カサイオクシデンタル州で行う教育、保健、水と衛生、子どもの保護の各分野での活動に対し、668万米ドル(6億円あまり)の拠出を内容とする支援を行うことを発表しました。

日本政府による今回の支援により、この3州に暮らす数千人の子どもたちが恩恵を受けることになります。

今回の支援は、以下に列挙する事業に活用される予定です。

  • 小学校と学習センター(18箇所)、幼児のためのコミュニティセンター(18箇所)、若者のための情報教育センター(6箇所)のリフォームや新築、早期幼児教育従事者や教員、ピア・エデュケーター(仲間同士で教えあうことができる人)、そして保護者が、正規・非正規に関わらず教育活動に参加できるようにするための研修活動など。
  • 保健センター(50箇所)のリフォーム。保健サービスの質の向上を図るため、コミュニティで活躍する保健スタッフの研修活動など。
  • 衛生環境を起因とする健康上のリスクを軽減するため、20の村で、安全な飲料水と衛生施設(トイレ)、衛生習慣の普及活動を実施。
  • かつて武力勢力に徴用されていた子どもたち2,000人と、孤児5,000人、また、社会経済的に弱い立場に置かれている子どもたちへの教育面での支援や、学校に戻りたいと願う子どもたちへの支援、困難な状況にある子どもたちの保護など。
  • 上記の活動(の成果)を持続可能なものとするため、事業計画の策定、実施管理、進捗状況の確認作業へのコミュニティの参加と、家族機能の強化のためのコミュニティによる支援を確保。

2008年5月、日本で開催された第4回アフリカ開発会議(TICADIV)で、日本政府は、アフリカに対する日本の政府開発援助(ODA)を2倍に増やすことを宣言しました。在コンゴ民主共和国日本国大使館の北澤 寛治特命全権大使は、この宣言以来、コンゴ民主共和国に対する日本政府のODA拠出額が増え、総額1億3,000万米ドルに達したと話しました。「コンゴ民主国の復興支援において、日本政府は、国内全ての地域で、復興が同じペースで進むことを望んでいます。こうした理由から、人々の生活状況の改善と持続可能な開発のために、日本政府は、今回、コンゴ民主共和国の中心部にある州を対象とした支援を提供することを決めました。」

米崎英朗コンゴ民主共和国JICA駐在員事務所長は、北澤大使が「コンゴ民主共和国と日本の協力における新たな時代」と称したことを受け、「コミュニティの参加を通して、子どもに優しい環境を支援するためのこのプロジェクトと、日本政府が他に実施している保健、栄養、水、コミュニティ開発、若者支援のための支援は、一連のものです」と強調しました。

今回の発表を受け、ユニセフのピエレット・ヴー・ティ代表は、日本政府のコンゴ民主共和国の子どもたちの問題の解決に向けた強い意志と、コンゴ民主共和国全域の女性と子どもたちの状況の改善と生活の質の向上のための日本政府の継続的な支援を称賛しました。