HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ソロモン諸島 地域緊急支援2007/4/12
財団法人日本ユニセフ協会




ソロモン地震・津波 第5報
ユニセフ現地スタッフからの報告〜津波が襲った日〜

【2007年4月12日、ソロモン諸島発】

© UNICEF Pacific

「ブアラに行くためのボートから降りたときに、地面が揺れたのがわかりました。水が遠く沖に引いていくのがわかりました。私はビーチにいたので、岩礁全体が見渡せました。ボートがみな沖に流され、潮がこんなに低くなったのを見たのは初めてです。ボートの持ち主はボートを追いかけるために急いで泳ぎ、ようやくボートを取り戻しました。」

ユニセフのシニア・プログラム・アシスタントのライネ・ベネットは、ソロモン諸島の首都ホニアラの345km北西をマグニチュード8.1の地震とそれによって引き起こされた津波が襲ったときのことを語ってくれました。もっとも被害が大きかった地域は、ギゾやシンボ、ラノッガ、ショートランド、ムンダ、ノロ、ベラ・ラ・ベラ、コロンバンガラ、チョイセル南部の沿岸部の一部です。

地震が島を襲った4月2日の月曜日、ライネは彼女が拠点とするブアラ島に戻っているところでした。その後、彼女は緊急支援活動を手助けするためにギゾに移りました。

「4月5日にギゾに到着した時、周りにあまり人はいませんでした。到着したのは夕方5時位で、空港はまだ閉鎖されたままでした。家にむかう途中、まだショックから立ち直っていない人々を目にしました。彼らはただ地面を見つめているだけなのです。がれきがあちこちに散乱していました。余震も続いていました。」

「夫と22歳になる長男はギゾにある私たちの家を修復していました。二人が私に話してくれたことによれば、人々が常識を失ってしまったかのように走り回っていたそうです。幸い、私たちの家はギゾの商業地の中心部にあり、丘の上にありました。」レイネは続けます。

「海がうなり声をあげたかと思った後、12フィート(3.65m)もの大波が突然襲ってきました。津波が実際に襲ってくるまで、これが津波だと人々はわかっていませんでした。みんな狂ったかのように丘をめざして走りました。家が破壊されていくのが見えました。」

統計が集計中のため、被災者が何名なのかまだ正確な数字はわかりません。正確な数を確定するための、登録手続きが進行中です。

人々はまだ丘の上にある避難キャンプに身を寄せています。国家災害津波報告書によると、下痢やインフルエンザ、肺炎の症例が出ています。さらに報告書は、避難民キャンプでの医療支援と医薬品が緊急に必要とされていると報告しています。医療物資や食料、その他の支援物資は続々と到着していますが、それでもまだ十分ではありません。

ユニセフは国家災害対策局や国連諸機関(国連人道問題調整事務所(OCHA)や国連災害評価調整チーム(UNDAC)など)と協力・調整し、津波の被災者のための支援活動を行っています。

地震・津波発生後の数日間で、ユニセフは4万人を3ヶ月間支援することのできる緊急保健キット4セットのほか、貯水容器4,000個以上、レクリエーションキット13セット、経口補水塩3,000袋、石けん6,500個を提供しました。又、ユニセフは保健・社会福祉省と協力して、6ヶ月〜14歳までの子どもを対象にしたはしかの予防接種とビタミンA補給キャンペーンを開始しました。

ユニセフは、ホニアラとギオゾに8人の追加スタッフを配置し、この緊急事態への支援活動を継続しています。