HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ソロモン諸島 地域緊急支援2007/5/21
財団法人日本ユニセフ協会




ソロモン地震・津波 第9報
クジ村にレクリエーション・キットと教育キットが届く

【2007年5月21日】

© UNICEF/Natalie McCauley
レクリエーション・キットの到着に喜ぶクジ村の子どもたち

子どもたちが、大きな銀色の箱の中身を見に集まってきました。子どもたちはワクワクして、顔に笑みを浮かべています。クジ村の住民と支援スタッフが一緒に設置したまにあわせの白いテントの中には、毎日150人の子どもが集まり、レクリエーション・キットとスクール・イン・ア・ボックス(教育キット)を使って活動しています。

7歳のルース・ガリーはレクリエーション・キットの中から小さな白いボールを取り出しました。新しいおもちゃを手に入れてルースはすっかり夢中になりました。遊んでいるルースの目から涙がこぼれました。ルースのお母さんは「これが彼女のものならば、眠るときも離さないでしょう」と言います。

「ルースは、2007年4月2日の津波以来、何人かの友達に会っていません。」ユニセフの子どもの保護アドバイザー、ナタリー・マッカーリーは説明します。「ルースは学校での活動に再び参加することができ、友達とも会えるようになると思うととてもうれしいのです。」

クジ村の学校は完全に流されてしまいました。教室は完全になくなってしまい、子どもたちはテントに集まって、レクリエーション・キットやスクール・イン・ア・ボックスを使って遊んだり勉強したりしています。

© UNICEF/Natalie McCauley
ギゾに設置された子どもたちのための遊び場

州教育局とのパートナーシップのもと、ユニセフは全ての被災地に支援を届けようと努力しており、今までに被災した12の学校を支援してきました。NGOと協力して、30以上の地域で、子どもたちのための遊び場が設置されました。

「たくさんの献身的で熱心な先生が、ユニセフが支援したスクール・イン・ア・ボックスやレクリエーション・キットを活用して、被災地の子どもたちに何らかの教育や遊びの場を提供できるよう頑張っています。ユニセフの支援活動を助け、子どもたちが通常の教育に戻れるよう努力してくれています。」ナタリーは言います。

早く公式の教育へと移行できるよう、教員がきちんと給与が払われるよう教育省も配慮しています。

州教育局のダルシー・ボシは、子どもたちのための安全な遊び場を設置するための重要な役割を担ってきました。「私がここで見る限り、多くの子どもたちがスクール・イン・ア・ボックスとレクリエーション・キットに感謝していることは明らかです。彼らの笑顔をみてください。全てを物語っていますよ。」

スクール・イン・ア・ボックス1つで80人の子どもが勉強でき、教員用の教材が27種類と生徒用のものが11種類、例えばペンや、鉛筆、チョーク、練習帳、フリップチャート、石版、ペンキ用ブラシ、アルファベットや数字、世界地図のポスター、クレヨンなどが入っています。

レクリエーション・キットは1つで180人の子どもが遊ぶことができ、銀色の箱の中には、教員用のものが13種類、生徒用のものが9種類、例えばハンドボール、バレーボール、バスケットボール、フリスビー、縄跳びなどが入っています。

これまでに、ユニセフは州教育局と協力して、スクール・イン・ア・ボックス60個とレクリエーション・キット100キット以上、そして遊び場設置のために必要な仮設シェルターを配布する計画を立てています。

「このような災害後には、子どもたちは日常生活に戻り、遊んで、仲間と交わる必要があります。このプログラムは、地域全体の傷を癒すための初めの一歩なのです。」