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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第20報
冬の厳しい寒さへの対策を

【2012年11月23日 ダマスカス/アンマン/ジュネーブ発】

© UNICEF Iraq/Abdulmunem/2012
8月、ドミズ避難民キャンプで母親と一緒に手を洗うアミナちゃん(2歳)。
© UNICEF/Jordan-2012/Salah Malkawi
11月のザータリ難民キャンプにて。この数日の間で、気温が大きく下がった。

ユニセフは、シリアとその周辺地域に避難を余儀なくされた子どもたちのために、防寒対策の一環として、10万セット以上の子ども用防寒着キット、赤ちゃん用のブランケットを含む毛布約16万枚をはじめとする冬支度のための支援物資を急送しています。

ユニセフは、世界で展開している支援物資供給のネットワークを駆使し、対応可能な場所からできる限り迅速に防寒対策用の支援物資を調達しています。

「寒さが厳しくなっています。今週、気温は5℃まで低下。さらに氷点下に達するものと見込まれています。ユニセフは、最も厳しい立場にある子どもたちのために、暮らしている場所にかかわらず、必要不可欠な防寒着を早急に届ける必要があります」ユニセフ・シリア事務所のエッティ・ヒギンズ副代表はこう語りました。

避難を余儀なくされたシリアの多くの子どもたちは、夏服しか持ち合わせていません。現在、臨時の避難所で暮らしているこうした子どもたちのために、防寒着が切実に求められています。ユニセフは、冬の寒さによる呼吸器に関わる疾患が増加する危険性、また、子どもたちに与える健康への影響を懸念しています。子どもたちは、避難所での生活や武力紛争によるストレスで、体が弱っています。

ユニセフは、シリア国内で、約7万5000人分の15歳までの子ども用防寒着キットを調達。1つのキットには、保温性の高い下着、長ズボン、ウールのセーター、靴下、手袋、帽子、靴、冬用の上着が含まれています。

© UNICEF/2012/Khaled Al-Masri
ドバイの物資支援センターに備蓄されているシリアに届けられる予定の毛布。

毛布は、シリアの広範囲で継続している武力紛争のために避難を強いられた子どもとその家族に配布される予定です。この中には、シリアの乳幼児用の毛布1万1000枚も含まれています。ドバイにあるユニセフの物資供給センターから調達された2万6000枚の毛布は、来週、シリアに届けられる予定です。一方、4万1,000枚の追加の毛布は、パキスタンで調達されています。

22万5,000人以上のニーズに対応する保健物資3ヵ月分が、ユニセフのコペンハーゲンにある物資供給センターからシリアに急送されています。また、今後のニーズの高まりに応えるべく、かばんの中に文房具などの学用品が詰められている50万個の学校用かばんの配布準備を整えています。また、シリア国内の可能な場所で、支援物資を調達しています。

「世界中で支援物資を調達し、シリアに届けていますが、それでもまだ、問題を半分解決したに過ぎません」「政情不安のために、現地では大きな課題に直面しています。しかし、子どもたちが切実に求めている暖かい衣服と毛布を届けるために、頼りになるパートナーとともに、あらゆる限りの努力を行っていきます」

また、周辺国に避難しているシリア難民の数は推定40万人。その約半数は子どもと見られ、厳しい状況に置かれています。

ユニセフは、レバノンで、1万枚の毛布を配布したのに続き、2万4,000人以上の子どもに防寒着キットと衣類配給券を発行する予定。ヨルダンでは、子どもに優しい空間と臨時学校用テントとして、冬用テント78基を1ヵ月以内に設置する予定です。ヨルダンとイラクの避難センターには、風呂場に、お湯を沸かすためのソーラーパネルが導入されています。

ユニセフは、シリアと周辺4ヵ国に避難を強いられているシリア難民の緊急支援活動に必要な資金として、7933万米ドルの追加の資金を緊急に求めています。