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財団法人日本ユニセフ協会



パキスタン情報 第24報
お絵かきと人形劇を通じて子ども達を元気づける

【2006年3月9日 バラコート】

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パキスタン北部で地震に被災した子どもたちは、心の傷を癒すために、人形劇の上演に取り組んでいます。

パキスタン北部バラコートの子ども達は大きな苦しみを味わってきました。この地域では昨年10月の地震で8万人以上が亡くなり、何百万人もが家を失いました。地震後は、凍てつく冬の中、キャンプでのテント生活という大変な状況を経験してきました。

しかし、春の訪れも間近に迫った今、ただ生きのびるだけでなく、子どもたちの顔に笑顔を取り戻す時がやってきているのです。

9歳のナスリーンは地震の恐怖を直に経験しました。彼女と家族は被災した山村地域を後にして、遠くの避難所までやってきました。今滞在しているキャンプでは、ナスリーンはほとんどの時間を子どもセンターで過ごしています。この子どもセンターは、心理的ストレスを抱える幼い子どもを支援するために、ユニセフと実施パートナーのマスカッドが試験的に運営を始めました。

「子どもたちが精神的ダメージを乗り越えて回復するまでには長い時間がかかるでしょう。」プログラムマネージャーのマウィッシュ・ショーカは言います。「だんだんと、彼女達が自己表現したり、感じた事を何でも言えるように、私たちは後押しします。」

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バラコートのユニセフ子どもセンターで子どもたちが人形劇を観ています。劇は面白いだけではなく教育的でもあり、基礎的な衛生習慣を教えます。

単なるお楽しみやお遊びを超えて

子ども達が恐れや感情を表現できる方法のひとつが、絵を描くことです。ナスリーンは落書きしながら言います。「怒りを感じる時にはイライラしないように、紙に落書きをしなさいって先生は言うの。」

センターの子ども達は、人形劇を作ったり上演したりもします。人形劇は単なるお楽しみやお遊びではなく、心理的なサポートや、ためになる衛生習慣などの日常生活に役立つメッセージを伝える役割があります。

10歳のサメイラは、子ども達のグループで台本を書くことで忙しくしています。「病気の女の子の劇なの。」サマイラが説明します。「その子は悪い菌をやっつけて、もう病気ではないの。劇は私たちに健康でいることについて教えてくれるわ。」

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人形劇は近々公の場所でも上演される予定で、被災した幼い子どもたちに笑いと楽しみを提供します。

人形劇プログラムは、まだ最初の段階にあります。人形劇は近々教室以外の公の場でも行われる予定です。生活にもっと楽しい何かを切に必要としている、他の幼い地震被災者にも届くように、そしてまた笑えるように。

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ユニセフは、いまも被災地の子どもたちのための緊急支援を続けています。
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