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財団法人日本ユニセフ協会




みなさまの暖かいご支援ありがとうございました
パキスタン地震緊急募金の受付は終了させていただきました

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©UNICEF Pakistan/2006/Asad Zaidi
避難民キャンプの子どもたち

2005年10月9日より多くの皆さまにご協力をいただきました「パキスタン地震緊急募金」は、2006年9月末日をもって受付けを終了いたしました。2006年9月25日までにお寄せいただきました募金は、総額約11億8,640万円にのぼりました。皆さまの温かなご支援に心より御礼申し上げます。

現在の状況

地震で被害を受けたパキスタン実行支配下カシミールでは激しい雨が降り、地震でゆるくなった地面に雨が染み込み、地滑りが起こりやすくなっています。

洪水のため、再び避難しなければならなくなった帰還民もいます。避難民キャンプにいる人々の数は、7月には27,000人、8月には34,000人となっており、ユニセフやUNHCRの避難民帰還の試みへの障害となっています。マンセラでは、新たに発生した洪水のために危険となった既存キャンプが閉鎖され、そこに生活していた避難民は新設キャンプに移されました。

震災復興機関(ERRA)によると、地震被災者のうちテント生活をしている人の割合は2%以下で、冬前には仮設住宅に移る予定です。ERRAは、被災家屋の85%の調査を終え、30万人が、約220億ルピー(336,972,477米ドル、約395億円相当)を家の修理費として受け取りました。また、生活再建プログラムの下で、ERRAはここ3ヶ月間で18万1,000世帯に月々3,000ルピー(50米ドル、約6,000円相当)の支援を行いました。

ムザファラバード、バーグ、バッタグラームの国連キャンプが9月30日で閉鎖されるのを機に、ユニセフ及び国連機関の活動も新たな段階に入ります。

2006年夏に実施した支援の主な成果

教育:
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©UNICEF Pakistan/2006/DelaneyZaidi
  • ムザファラバードにある9つの既存キャンプに新たに到着した避難民のニーズに対処するために、5つのキャンプに学校が新たに設立され、853人(女子418人、男子435人)の子どもが登録されました。残りの4キャンプに生活している子どもも、最寄の公立校に通っています。8月、ユニセフは合わせて16人の教師たちの給与を負担しました。
    8月にユニセフがムザファラバードとニールム地区の248の学校に提供したもの:
    • 教室用テント 351張
    • スクール・イン・ア・ボックス(80人分の学用品セット) 450セット
    • 教科書セット 9,800セット
    • レクリエーションキット 391セット
    • 通学カバン 19,705個
    • 黒板 533枚
    • 絵本 30,247冊
  •  この支援によって恩恵を受けた子どもの数は24,815人です。
  • マンセラでの洪水の発生により移転した避難キャンプへ学校をつくり、310人の子どもたちを新学期に迎えることができました。
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  • ユニセフはバッタグラームに31のテント学校を設立し、1,773人が初等教育を受けられるようになりました。これらの学校にはマットやカバン、スクール・イン・ア・ボックス、黒板などの備品が揃っています。
  • 59の学校に向けて、テント、スクール・イン・ア・ボックス、マット、黒板などの学用品の提供を始め、12,115人の子どもたち(男子7,281人、女子4,834人)が恩恵を受けています。
保健と栄養:
  • ムザファラバードでは、急性呼吸器感染症、急性の下痢、マラリアが、依然として子どもも含めて人々の健康を脅かす主な病気となっており、コレラの発生も報告されいます。ユニセフは、ムザファラバードのコレラ治療センターの運営費を全額負担し、物資の供給を行っています。センターはこれまでに、100人以上の患者を治療しています。
  • バーグでは、下痢性疾患の96%を占める急性水様性の下痢に対応するため、1,000人の患者を治療することができるコレラと保健キットを提供しました。又、北西国境州でのコレラと水様性の下痢の流行に対応するため、ユニセフはWHOと協力して、バッタグラームの6施設、マンセラの15の保健施設にコレラキットを供給しました。又、国際・現地NGOにも3つの緊急保健キットを提供しました。
  • 保健省、ユニセフ、WHOが共同し、衛生と健康増進のための家庭訪問キャンペーンが展開されました。ユニセフは経口補水塩や石鹸、衛生促進パンフレットなどの基本物資を提供しています。
  • ムザファラバードでは、新たに39人の予防接種員が研修を終え、既に活動しています。48人の予防接種員に対して再研修が行われました。
  • マンセラで最近発生した洪水への対応として、移転先の避難民キャンプ内に診療所を設立するための物資(テントや医療物資)を供給しました。
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    ©UNICEF Pakistan/Zaidi
    担当する地域の子ども達に保健・衛生について教える女性の保健員
  • バッタグラームでは、ユニセフは、女性の保健員や医療技術者が、公衆衛生の促進や衛生習慣の改善方法(母乳育児、石鹸を使った手洗い、水の塩素処理、排泄物や残飯の適切な処理など)、急性下痢の際の対応についての研修を支援しました。研修のおかげで、最近の大雨による水源の汚染で増えていた急性水様性の下痢の発生件数が減り、死亡者も報告されていません。また、女性の保健員には、27,000個の石鹸が配布され、手洗いの習慣を広めています。
  • ユニセフはパートナー団体と協力しながら、女性の保健訪問員に緊急分娩と新生児ケアに関しての基礎研修を提供しています。マンセラとバッタグラームでは、医療関係者に対し、緊急分娩と新生児ケアに関する3度目の研修が行われました。31人が出席し、救命技術についての研修をうけました。
水と衛生:
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    ©UNICEF/PAKA01947D/Zaidi
    キャンプ内に設置された水道で選択をする7歳の子ども
  • 2006年8月、ユニセフは4つの避難民キャンプに計100,800リットルの水を供給し、約7,000人が恩恵を受けました。ユニセフは、ムザファラバードの既存キャンプへの水の輸送を8月末で終了し、すべての避難民キャンプでの給水設備確保に重点を移す予定です。現在、水源を確保している避難民キャンプは24ヶ所あり、他の6ヶ所では工事が進行中です。キャンプ内の給水設備から約20,000人が水を手に入れています。
  • キャンプに新たに避難してきた人々や、キャンプ間を移動する避難民のニーズに対応するために、ユニセフはパートナーと協力して、ムザファラバードの4つのキャンプで120のトイレと93の手洗い所を設置・修復しました。さらに、ジャバキャンプに生活する2,000人の避難民の飲み水へのアクセスを確保するため水道管の修復を行うとともに、120のトイレ、60の手洗い所、30の給水所、30の洗濯設備、60のごみ箱、2つの共用ごみ箱、下水管などを供給しました。
  • ユニセフはNGOと共に4,000個の石鹸、900個のバケツ、630の水容器を、2,700人の避難民に配布しました。また、2つのキャンプには自然の水源から水を引くための水道管が供給されました。
  • マンセラの学校に通う子ども達は、基本的な水と衛生設備へのアクセスがありません。ユニセフは、250人の生徒のためにトイレをつくり、飲料水の浄水キットを提供しました。
  • バッタグラームでの急性下痢の確認件数が急増していることを受けて、ユニセフは病院の給水設備を修復・改善し、増える患者に対応しました。また、ユニセフは院内にトイレを10ヶ所、手洗い所を3ヶ所設置しました。
  • ユニセフは、パートナー組織のスタッフ向けに、浄水器具を使った水処理や衛生環境促進教材の使い方についての短期研修を実施しました。418,000個の浄水器具が家庭での水の塩素処理方法についての説明書きとともに配布され、その他にも飲み水やトイレの使用方法についてのポスターやちらしが計32,000枚が配られました。
  • バッタグラーム地区の水源の約90%は河川で、この水源が汚染されると、下痢や胃腸炎といった不潔な水が原因となって蔓延する病気が発生しやすくなります。このような病気の発生リスクを避けるために、定期的に水の塩素処理ができる共用貯水槽の設置が検討されています。
子どもの保護:
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    ©UNICEF Pakistan
  • ラ地区では、コミュニティ内で弱い立場におかれている子ども達が各種施設やサービスを利用できるように、孤児や障害を持つ子どもたちがレクリエーション活動や社会心理的支援活動に参加しました。合計で、1,776人の男の子と1,738人の女子のが参加しました。
  • 避難民キャンプ内の子どもの保護の状況について、4つの避難民キャンプで調査が行われました。対象となった世帯数は216〜250世帯、子どもの数は600人でした。