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マーサ 15歳 <シエラレオネ>
シエラレオネで暮らすマーサのお父さんは内戦の間に殺されました。苦しい生活に、学校に通う余裕はありません。マーサは、市場でビスケットを売る仕事をしながら、いつか学校に通いたいと心から望んでいます。
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シエラレオネに暮らす少女マーサは、よく鏡の前で過ごす少女でした。というのも、幼い頃に亡くなったお母さんにそっくりね、とよく言われるので、自分の姿の中に母親の姿を探そうとしていたのです。父親は成功した実業家で、毎週のように愛娘に新しい洋服を買い与え、毎朝自分で学校に連れて行くほどマーサを溺愛していました。
マーサが8歳になった2000年、彼女の村は反政府軍の襲撃を受けました。銃撃音が近隣に鳴り響き、マーサと父親は1週間以上も外出できないまま家の中に閉じ込められ、銃撃戦が止むのを待つしかありませんでした。
事態がおさまった時、村は反政府軍に占領されていました。父親の事業もうまくゆかなくなり、マーサを置いて安全な街へ移らざるを得なくなりました。父親はそこで事業を再建し、娘に仕送りしたり衣服を送ったりすることができるようになりました。
父親と離れたマーサは、祖母のもとで暮らすことになりました。祖母は、市場で野菜を売って生計を立てており、マーサは祖母を手伝うために、学校へ行けない日も出てきました。さらに悪いことに、祖母が脳卒中を起こして倒れ、歩くことも話すこともできなくなってしまい、マーサの状況は一変しました。当時、父親からの連絡も途絶え、13歳だったマーサはひとりで寝たきりの祖母を看病しながら過ごさなければならなくなったのです。
そんな中、学校の授業にはほとんど出ることもできなかったにも関わらず、マーサは試験に合格して高等学校へ進学できることになりました。なのに、父親はそばにおらず、祖母も働くことができなくなった今、進学に必要なお金はありませんでした。
勉強を続けたいという彼女の希望は、父親にかかっていました。父親からの連絡をじっと待ち続けるマーサに、ある朝、絶望的な知らせが届きました。父親が反乱軍に襲撃され命を落としたというのです。
「世界が止まってしまったようでした」マーサは言います。「人生で初めて、ひとりぼっちになった気持ちでした。自分は孤児になってしまったのだと気づきました」
マーサは今、義理の母親とその3人の子どもたちと一緒に暮らしています。父親が亡くなる前に結婚したその女性を、マーサはおばさんと呼んで慕っています。新しい家族の家計を助けるため、マーサは市場でビスケットを売っています。
学校へもどりたいと、マーサは今も強く願っています。幸運なことに、義理の母親の新しい夫はマーサの状況を理解し、助けてくれようとしています。
1991〜2002年まで10年以上続いたシエラレオネの内戦は、マーサのような何万人もの子どもたちに身体的にも精神的にも辛い傷あとを残しました。1万人を超える子どもたちが家族と離れ、ひどい暴力やレイプの被害にあい、無理やり兵士にさせられました。マーサたち幾万もの子どもたちの願いが、今も、かなえられるのを待っています。
マーサの映像はこちらから(英語)
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