財団法人日本ユニセフ協会
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エチオピア洪水被害
21億3,500万円の緊急支援をアピール

【2006年8月29日 ニューヨーク発】

© UNICEF Ethiopia/2006/Getachew

アフリカ・エチオピア各地を襲う洪水被害により、既に数百人の命が奪われ、家を失った人々も数万に上っています。ユニセフは、食糧、シェルター、飲料水、医療などの分野における支援活動の費用として、国際社会に対し、総額1,830万米ドル・21億3,500万円あまりの緊急支援を訴えています。災害発生直後から始まったユニセフの支援活動。ユニセフは、次の2〜3週間の間に、21億円あまりのうち、少なくとも10億円が届かなければ、現地に備蓄された支援物資が底をつくと訴えています。

過去数カ月に渡り、例年に無い長雨が続いたエチオピアで、主に標高の低い地域で洪水が起こりました。特に北部のアムハラ州の被害は深刻で、約20万人が被災。雨は今後数週間に渡って降り続くと見込まれており、特に水を媒介にした疾患による子どもたちへの被害が心配されています。

ユニセフ緊急支援担当官スーザン・ンゴンギは、現地から次のように伝えてきています。「エチオピアでは、慢性的な栄養失調が蔓延するなど、多くの子どもたちは、以前から様々な脅威に晒されていました。今回の洪水で、そこに『病気』という新たな脅威が加わってしまったのです」。

© UNICEF Ethiopia/2006/Getachew

こうした病気の一つが急性の水様下痢(Acute watery diarrhoea・重症の下痢性疾患)。今年4月に最初の症例が報告されて以来、これまでに死亡156件を含む15,520件が報告されています。ユニセフは、この病気のこれ以上の拡大を防ぐことが、当面の最大の課題の一つと捉えています。

「洪水が、この病気の蔓延の条件を作ってしまいました。早期発見と早期治療さえできれば子どもたちの命は救えるのですが、多くの村々が洪水で孤立してしまい、今現在、この病気にかかっている子どもがどこにどれだけ居るのか判らない状況です」(ンゴンギ緊急支援担当官)

ユニセフは、エチオピア各地の保健センターに、医薬品や治療用の医療資材を提供しています。また、飲料水の供給やトイレの整備等を通じて、疾患の拡大を防ぐ努力も続けています。

もし今後も雨が降りつづければ、洪水の被害の拡大により、30万人が新たに被災者となる可能性があります。エチオピア各地のダムは、既に決壊の危機に直面しています。エチオピア政府は、決壊を防ぐ為にダムの放水量を拡大していますが、結果、洪水の被害は拡大。また、ダムが決壊した場合、その被害は予想を遥か超えるものになるでしょう。

日本政府、洪水被害地域での小児感染症対策に470万ドル(5億2,900万円)を拠出

© UNICEF Ethiopia/2006/Getachew
© UNICEF Ethiopia/2006/Getachew

ユニセフは、29日、洪水被害が拡大しつつあるエチオピアでポリオ・マラリアなどの感染症から予防接種や蚊帳の普及などを通じて子どもたちを守る活動に対し、日本政府から5億2,900万円の支援を戴きました。

マラリアは、今回の洪水によって拡大が予想される病気の一つであり、ユニセフ・エチオピア事務所代表ビヨルン・リングクィストは「非常にタイムリーな支援を戴き感謝している」と述べています。

日本政府による支援の詳細は: