子どもの保護
©日本ユニセフ協会/2011
CAPおとな向けワークショップの様子
東日本大震災は、被災地の子どもたちを取り巻く環境を一変させました。大切な家族や親戚、友人を失った子、住み慣れた家や地域を離れ、転校を余儀なくされた子も少なくありません。震災から5年が過ぎても、子どもの遊び場や居場所は少なく、親を亡くした子ども、支援を必要とする子どもたちを支える保護者や支援者の負担も、増すことはあっても減ることはありませんでした。またその頃には、様々な支援を受けて元気になっていく子どもたちとそうでない子どもたちとの格差も目立つようになりました。
子どもたちを支える立場にいらっしゃる方々の不安やストレスが、暴力などの形で家庭生活や子育てに暗い影を落とすことがないよう、また、震災前から少子高齢化が進んでいた多くの被災地で、地域に根差した子ども支援・子育て支援の体制が構築されるよう、2011年から、国内の専門家団体や被災地の自治体の方々などと連携しながら、中長期的な視野を持って支援を行いました。
子どもの保護 実施プロジェクト一覧
活動分野 |
内容 |
連携団体 |
孤児・遺児 |
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- 状況調査
- 今後の支援につなげるため、震災で両親を亡くしたり、あるいは、ひとり親家庭になった子どもたちが、どのような状況にあるのかを震災後調査を行いました。
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虐待防止 |
- ラジオコマーシャル
- 虐待などを含む子どもの暴力防止を呼び掛けるラジオコマーシャルを制作、そのメッセージを広く伝えました。
- 啓発資料作成
- 震災の影響を受け、居場所を失ったり将来への不安を抱える10代の子どもたちがデートDVに巻き込まれないよう、デートDV予防パンフレットを作成しました。
- 啓発
- 毎年11月の「児童虐待防止推進月間」にあわせ、沿岸部でも、自治体が行うキャンペーンを支援しました。このうち岩手県では、相談ダイヤルを掲載したエプロンバス(バスに前垂れの広告)を毎年走らせました。
関連記事:https://www.unicef.or.jp/news/2014/0155.html
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父子家庭・父親支援 |
- 支援員養成研修
- 児童相談員、遺児家庭支援員、保育士・民生児童委員、学童指導員などを対象に「お父さん支援員」養成研修を実施しました。
- 報告書の制作・配布
- 支援者や父親向けに制作したマニュアルや父親の育児や家庭生活を支えるガイドブック、活動報告などを配布しました。また、母子避難により家族と離れて暮らしている福島県の父親の子育てや家庭生活を支える冊子を配布しました。
父子家庭・父親支援に関する資料アーカイブはこちら
- 地域活動支援
- 地域のお父さん支援員が実施する父子親子参加イベントなどをサポート。父子を元気づけ、父親が地域に出やすく、人とつながれる活動を担いました。
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子どもへの暴力防止(CAP)
※CAPとは、Child Assault Prevention(子どもへの暴力防止)の略で、子どもたちがいじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力といったさまざまな暴力から自分の心と体を守るための教育プログラムです。 |
- 養成研修開催
- 福島・宮城・岩手各県で実施してきた子どもたちが暴力から身を守るためのワークショップを実施する「CAPスペシャリスト」の養成するための研修を行いました。
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放課後の居場所 |
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- オレンジハウス
- 7割近くの建物が津波で流失するほどの甚大な被害を受けた宮城県女川町で、子どもたちの放課後の遊び場を確保するための学童保育施設として、「オレンジハウス」 と呼ばれる2棟のトレーラーハウスの建設支援を行いました。「ちっちゃな図書館」で提供された絵本も設置され、地域の法律相談や、子育て支援活動、スクールカウンセラーの相談活動などにも活用されました。現在は、移設され、女川駅前の集いの場として活用されています。
関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2013_0903.htm
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