東日本大震災緊急募金 第30報
震災孤児ケアの見解発表
【2011年4月10日 東京発】
日本ユニセフ協会とユニセフ東京事務所は本日、子どもの権利条約をはじめとする国際条約と日本政府の法的枠組みを基軸に、「東日本大震災孤児の代替的養護(ケア)に関する見解*」を発表しました。
![](images/110410.jpg) |
© 日本ユニセフ協会/2011/Grehan |
宮城県女川の様子。 |
子どもたちにとって最善の対策を
東日本大震災から明日で1ヶ月、両親もしくは保護者を亡くした子どもたちの現状も徐々に明らかになってきました。厚生労働省によると4月8日時点で、岩手県で44名、宮城県で30名、福島県で8名の震災孤児が確認され、孤児支援の動きも各地で広がりつつあります。
その中で子どもたちの意向をきちんと聞き、それぞれの子どものニーズをきちんと把握、その上で「子どもたちにとって最善の利益」となるような対応をしてくことが必要不可欠です。
日本ユニセフ協会とユニセフ東京事務所は孤児の代替的養護に関し、現時点で以下の選択肢を優先することを推奨します:
- 近親者、親戚をさがし、状況を把握。親族里親の可能性を打診
- 友人・人間関係が維持できるよう同地区(できるだけ子どもの出身地に近い、同じ学校通学圏内での)養育里親の募集
上記の選択肢は、「子どもの権利条約(20条)**」、「子どもの権利委員会の最終見解(CRC/C/JAPAN/CO/3-52〜55)***」、「子どもの代替的養護に関する国連総会決議(A/RES/64/142)****」、「平成20年に改正された児童福祉法*****」、「厚生労働省里親委託ガイドライン******」に基づくもので、子どもたちの今の友人や地域への繋がりを重視しています。
世界で蓄積されてきた代替的養護ケアと災害時の孤児保護の知見を活かし、子どもにとってより優しい環境を整えていけるよう、私たちは政府や地方自治体、NPOを含む市民社会のみなさんと協力しながら震災孤児への支援を今後も展開していく予定です。
*「東日本大震災孤児の代替的養護(ケア)に関する見解」
**「子どもの権利条約(20条)」
***「子どもの権利委員会の最終見解(CRC/C/JAPAN/CO/3-52〜55)」
****「子どもの代替的養護に関する国連総会決議(A/RES/64/142)」
*****「平成20年に改正された児童福祉法」
******「厚生労働省里親委託ガイドライン」
現在の支援物資到着状況
支援先 (県別) |
支援物資 |
到着日 |
数量 |
寄贈企業 |
備考 |
宮城 |
水 |
3月19日 |
12,288本 |
VanaH(株) |
2Lペットボトル |
福島 |
水 |
3月22日 |
12,672本 |
VanaH(株) |
2Lペットボトル |
宮城 |
男児・女児用下着 |
3月22日 |
20万枚 |
|
|
岩手 |
男児・女児用下着 |
3月23日 |
3万枚 |
|
|
福島 |
水 |
3月23日 |
4680本 |
キリンMCダノンウォーターズ(株) |
2Lペットボトル |
宮城 |
子ども用靴 |
3月23日 |
10000足 |
|
|
宮城 |
子ども用おむつ |
3月24日 |
80パック |
P&G |
|
岩手 |
子ども用下着 |
3月24日 |
9700枚 |
|
|
福島 |
水 |
3月24日 |
12,288本 |
VanaH(株) |
2Lペットボトル |
岩手 |
靴 |
3月26日 |
1404足 |
アキレス(株) |
|
岩手 |
男児・女児用下着 |
3月27日 |
28,266枚 |
|
|
岩手 |
長靴 |
3月27日 |
7462足 |
|
|
岩手 |
お尻ふき |
3月28日 |
1200個 |
P&G |
赤ちゃん用 |
宮城 |
レクリエーションキット 「箱の中の幼稚園」 |
4月2日 |
各50 |
|
ユニセフ物資供給センターより調達 |
岩手 |
レクリエーションキット 「箱の中の幼稚園」 |
4月2日 |
各50 |
|
ユニセフ物資供給センターより調達 |
※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。
2011年4月4日午前9時現在 (広報室まとめ)