驛「譎「�ス�。驛「譏懶スケ譁溽、シ�ケ譎「�ス�シ驛「�ァ陋幢スオ邵コ蟶キ�ケ�ァ��ュ驛「謠�郢摎 財団法人日本ユニセフ協会
緊急支援情報
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東日本大震災緊急募金
2011/12/27
第137報 ハッピーバースデイ 3.11〜;あの日、被災地で生まれた子どもたち
2011/12/26
第136報 —; ユニセフ 祈りのツリー project —;ユニセフサンタが岩手、宮城、福島の子どもたちとオーナメントづくりを行いました!
2011/12/21
第135報 長谷部誠さん、宮城県南三陸町を訪問
2011/12/21
第134報 岩手、宮城、福島で「EYE SEE(私たちが見たもの)」プロジェクトを実施
2011/12/19
第133報 —; ユニセフ 祈りのツリー project —; 宮城県気仙沼市『復興屋台村 気仙沼横丁』に8mの“祈りのビッグツリー”が登場!
2011/12/14
第132報 イ・ビョンホンさん ユニセフハウスを訪問 被災地の方々へメッセージ
2011/12/14
第131報 被災されたお父さんを応援しよう 父子家庭・父親育児支援講習会を開催
2011/12/12
第130報 ユニセフ「ちっちゃな図書館」プロジェクト 受付終了! 30万冊以上の善意が被災地の子どもたちの元へ
2011/12/8
第129報 小さな子どもと頑張るお母さんを支えたい 福島県臨床心理士会による、お母さんと子どもの心のケア活動
2011/12/3
第128報 「こんな経験は初めてだった・・・」 福島・双葉町の子どもたちが、日伊バレーボール代表選手をエスコート
2011/12/1
第127報 『ハッピーバースデイ 3.11』写真展開催中
2011/11/25
第126報 「ソリダリティ・ブック」 ベルリンフィルの手で、東北の子どもたちに
2011/11/21
第125報 被災地の子どもたちを守ろう 子どもへの暴力防止の実現にむけて—;岩手県・山田町でCAPワークショップを開催
2011/11/22
第124報 復興のかけ橋を! ユニセフ親善大使「ベルリン・フィル」が、音楽のプレゼント
2011/11/14
第123報 相馬の子どもが考える東日本大震災発表会の開催報告
2011/11/14
第122報 宮城県石巻市の保育園でも新園舎での活動をスタート
2011/11/14
第121報 幼稚園・保育園再建支援  新園舎で活動をスタート
2011/11/10
第120報 アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使 子どもに優しい空間「ふたばひろば」訪問
2011/11/09
第119報 「ユニセフ 祈りのツリー」PROJECT 祈りのビッグツリー誕生!
2011/11/08
第118報 陸前高田市の子育て支援イベントで「世界手洗いダンス」を踊りました
2011/11/02
第117報 中高生たちの「あの日の記録」が、Yahoo!写真保存プロジェクトに
2011/10/27
第116報 大槌町子どもの公園づくりワークショップ開催
2011/10/21
第115報 岩手県の大槌保育園でミニ運動会「みんなの運動会」が開催
2011/10/20
第114報 Tegami project 宮城県山元町ふじ幼稚園にニュージーランドと香港からの手紙を届けました
2011/10/19
第113報 Tegami project 福島県南相馬市鹿島小学校に中央アフリカ共和国からの手紙を届けました
2011/10/18
第112報 インフルエンザ予防接種の費用を助成 岩手・宮城・福島各県の16万人の子どもを対象に
2011/10/14
第111報 写真展「ハッピーバースデイ 3.11」 東京・ミッドタウンで、10月27日(木)まで(入場無料)
2011/9/26
第110報 宮城県名取市の閖上中学校の子どもたちがユニセフハウスを訪問
2011/9/16
第109報 Tegami project モロッコから届いた手紙を手渡しました
2011/9/14
秋のバス遠足を支援
2011/9/8
第108報 あの日からの記録−;『3.11 ユニセフ東日本大震災報告写真展』開催中(11日まで)
2011/9/8
第107報 多くの命が失われたその日、被災地で生まれた新たな命があります
2011/9/6
第106報 岩手県大槌町の吉里吉里保育園 仮園舎での保育開始!
2011/9/1
第105報 ちっちゃな図書館 大切に読んでいきます 被災地のみなさまからの感謝のメッセージ
2011/8/30
第104報 宮城岩沼市、山元町で心のケアの研修を実施
2011/8/25
第103報 福島県の子どもたちのために 子どもに優しい空間「ふたばひろば」設置
2011/8/23
第102報 宮城県女川町の全小中学校で完全給食再開へ 給食室修繕支援完了報告&オープニングセレモニー開催
2011/8/22
第101報 Tegami project 福島県双葉町「児童生徒再会の集い」にて アメリカから届いた手紙を手渡しました
2011/8/19
第100報 東北の子どもたちを勇気づける 長谷部誠選手のサイン入りミニ・サッカーボール
2011/8/17
第99報 第34回宮城県スポーツ少年団軟式野球交流大会(ジャンボ大会)開催!
2011/8/16
第98報 震災から5ヵ月 町を照らした「希望のあかり」-岩手県大槌町
2011/8/15
第97報 仮設住宅にも広がる「子どもに優しい空間」
2011/8/10
第96報 岩手県中総体 開催報告 先輩アスリートから子どもたちへの激励のメッセージ
2011/8/8
第95報 潘基文 国連事務総長 福島県内の高校生と対話
2011/8/2
第94報 宮城県山元町ふじ幼稚園で臨時保育再開!
2011/7/29
第93報 Tegami project 第三弾! アイスランドからの手紙を岩手県 釜石保育園に届けました
2011/7/28
第92報 東北の子どもたちの夢をつなぐ 第60回宮城県中総体開催!
2011/7/25
第91報 Tegami project 第二弾! アフガニスタンから福島へ 子どもたちからの手紙を届けました
2011/7/22
第90報 Tegami project 第一弾! ケニアの子どもたちからのお手紙が宮城県の子どもたちへ
2011/7/20
第89報 第58回岩手県中総体 相撲競技開催
2011/7/15
第88報 東北の子どもたちの夢をつなぐ 第58回岩手県中総体 開催!
2011/7/12
第87報 健診が結ぶ地域のつながり
2011/7/11
第86報 女川第一中学校の子どもたちがユニセフハウスを訪問
2011/7/8
第85報 東北の子どもたちと世界の子どもたちを結ぶ−;Tegami Projectはじまります!
2011/7/6
第84報 福原フィールドマネージャー 村井宮城県知事に離任の挨拶
2011/7/1
第83報 子どもたちのための復興支援を考える青空座談会
2011/6/29
第82報 子どもたちの心に寄り添う−;プレイセラピストからの報告
2011/6/27
第81報 幼稚園・保育所再建支援プロジェクト報告 −;宮城県の保育所再建支援レポート第一弾
2011/6/24
第80報 未就学児の心のケア、福島県でも 日本ユニセフ協会/福島県臨床心理士会が実施
2011/6/23
第79報 幼稚園・保育園再建支援プロジェクト「みんなでつくる幼稚園」 南三陸町:第一回ワークショップ実施報告
2011/6/21
第78報 各県ユニセフ協会からの東日本大震災支援報告
2011/6/16
第77報 岩手県高校総体 前期・中心会期終了
2011/6/16
第76報 こどもバス遠足第2弾 実施報告
2011/6/14
第75報 長谷部誠選手 著書の印税・イベント収益金を被災地の子どもたちに
2011/6/13
第74報 ユニセフ・東日本大震災報告巡回写真展スタート
2011/6/10
第73報 「子どもに優しい」復興を 〜;東日本大震災復興プラン国際提案競技 「知恵と夢」の支援〜;
2011/6/8
第72報 乳幼児健診が続々と再開 宮城県内14市町で
2011/6/6
第71報 レーク事務局長 宮城県の被災地を訪問
2011/6/6
第70報 乳幼児検診と予防接種が本格的に再開-陸前高田市
2011/6/3
第69報 アンソニー・レーク ユニセフ事務局長 ユニセフハウス 訪問
2011/6/2
第68報 世界の子どもたちを支えてきた子どもたち
2011/6/1
第67報 約80日ぶりの再開−;岩手大槌保育園
2011/5/31
第66報 岩手県高校総体 続報−;陸前高田から−;
2011/5/30
第65報 大槌保育園の仮設園舎 間もなく完成!
2011/5/27
第64報 宮城県の保育園・幼稚園でプレイセラピー研修を実施
2011/5/25
第63報 宮城県女川町で乳幼児健診・予防接種の再開を支援
2011/5/24
第62報 保育園・幼稚園仮設園舎等建設・大規模修繕を支援
2011/5/23
第61報 岩手県 高校総体 スタート 岩手県全域の子どもたちが参加!
2011/5/20
第60報 えほんをおくろう。えがおをおくろう。「ちっちゃな図書館」プロジェクト 進行中!
2011/5/18
第59報 震災孤児への支援−;子どもの最善の利益の確保を
2011/5/18
第58報 岩手県 陸前高田市で乳幼児健診・予防接種の再開を支援
2011/5/16
第57報 ユニセフ『おもいっきり!そとあそび』プロジェクト スタート
2011/5/16
第56報 アグネス大使インタビュー:災害回避のための学校と教育
2011/5/13
第55報 南相馬市の小学校に水洗トイレ設置
2011/5/12
第54報 ユニセフ こどもバス遠足 「おもいっきり!そとあそび」プロジェクトin福島 参加者募集中
2011/5/11
第53報 「ちっちゃな図書館」が「ちゃっこい絵本館」に
2011/5/10
第52報 支援活動を支える重要なパートナー
2011/5/9
第51報 ユニセフ こどもバス遠足 子どもたちのたくさんの笑顔
2011/5/6
第50報 ユニセフこどもバス遠足 「復興祈念 サッカー交流会」開催!
2011/5/2
第49報 門だけが残った保育園 アグネス大使岩手県訪問 第4報
2011/5/1
第48報 子どもたちの歓声が響きました アグネス大使岩手県訪問 第3報
2011/4/30
第47報 変わり果てた街 アグネス大使岩手県訪問 第2報
2011/4/30
第46報 弱い立場にある子どもたちを支援
2011/4/28
第45報 アグネス・チャン大使 岩手県の被災地を訪問
2011/4/25
第44報 モロッコの子どもたちが日本の地震被災児童たちに応援メッセージ!
2011/4/26
第43報 続く学校への支援 入学式を迎えた子どもたち
2011/4/26
第42報 子どもに優しい復興を! 今後の活動計画概要を発表
2011/4/25
第41報 「ちっちゃな図書館」、笑顔が届いています!
2011/4/21
第40報 メジャーリーグベースボールが野球用具を被災地の子どもたちへ
2011/4/21
第39報 支援の最前線で活躍するボランティアさんたち
2011/4/20
第38報 岩手で乳児健診が再開!
2011/4/19
第37報 日本ユニセフ協会副会長、被災地訪問
2011/4/18
第36報 「バック・トゥ・スクール」と「バック・トゥ・幼稚園」
2011/4/15
第35報 支援への決意を新たに
2011/4/13
第34報 子どもたちに優しい復興を! アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使 宮城県内被災地を訪問
2011/4/13
第33報 赤ちゃんの栄養相談ホットラインを開設
2011/4/12
第32報 被災地で学校が再開しました!
2011/4/11
第31報 震災から1ヵ月、子どもたちへの支援は
2011/4/10
第30報 震災孤児ケアの見解発表
2011/4/9
第29報 遊びを通した心のケア
2011/4/8
第28報 学校再開に向けてあきらめません
2011/4/7
第27報 保健医療栄養対策への支援
2011/4/6
第26報 「災害時の母乳育児を応援します!」
2011/4/5
第25報 「バック・トゥ・スクール」と「バック・トゥ・幼稚園」の準備
2011/4/4
第24報 ちっちゃな図書館 第一便が被災地へ到着!
2011/4/3
第23報 「心のケア」研修がスタート
2011/4/2
第22報 ユニセフ 『ちっちゃな図書館』プロジェクト「絵本を送って!」被災地の幼稚園・保育園等からのご要望を受付けます
2011/4/1
第21報 ちっちゃな図書館 プロジェクト お詫びとお願いのお知らせ
2011/3/31
第20報 「子どもに優しい空間」〜;被災地に広がる支援の輪〜;
2011/3/30
第19報 「箱の中の幼稚園」第2弾。コペンハーゲンを出発。
2011/3/28
第18報 メジャーリーグベースボール(MLB)とメジャーリーグベースボール選手会(MLBPA)が50万米ドルを寄付
2011/3/28
第17報 協会職員とユニセフ専門家の連携
2011/3/27
第16報 えほんをおくろう。えがおをおくろう。
2011/3/26
第15報 国内外専門家団体との連携
2011/3/25
第14報 えほんをおくろう。えがおをおくろう。「ユニセフ ちっちゃな図書館」プロジェクトをスタート
2011/3/25
第13報 「箱の中の幼稚園」、石巻の子どもたちに
2011/3/24
第12報 一瞬かもしれないけれど、本来の笑顔を取り戻した瞬間
2011/3/23
第11報 海外からの支援物資第一便、成田に到着
2011/3/22
第10報 海外からの支援物資 まもなく到着
2011/3/21
第9報 福島県と岩手県でも支援内容を協議
2011/3/20
第8報 宮城県と協力方針を確認
2011/3/19
第7報 支援物資第一便 飲料水二十トン被災地へ到着 ご支援が続々と寄せられています!
2011/3/18
第6報 日本ユニセフ協会、救援物資と日本人専門家を被災地に
2011/3/17
第5報 ソマリア、アフガニスタン、東京事務所の日本人専門家、日本ユニセフ協会の支援活動を応援に
2011/3/16
第4報
被災地へのメッセージ - 黒柳徹子氏、アグネス・チャン氏、日野原重明氏 -
2011/3/14
第3報
ユニセフ事務局長アンソニー・レークの声明−;日本の大震災と津波被害によせて
2011/3/14
第2報
ユニセフ、半世紀ぶりの日本への支援を表明 日本ユニセフ協会 被災地域への支援を準備・緊急募金の呼びかけを開始
2011/3/11
第1報
子どもたちに、心のケアを
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東日本大震災緊急募金 第134報
岩手、宮城、福島で「EYE SEE(私たちが見たもの)」プロジェクトを実施

【2011年12月21日 東京発】

日本ユニセフ協会は、東日本大震災被災地支援の一環として、11月5日から約1ヵ月にわたり、岩手、宮城、福島の各県で、ユニセフが世界各国で実施している「EYE SEE(私たちが見たもの)」プロジェクトを実施しました。

© UNICEF/Japan 2011/Makiko Imai
ジャコモさんと子どもたち

「EYE SEE」は、紛争や災害、貧困などに苦しむ世界各国の子どもたちに、写真撮影を通じて、自分の考えや感情を「表現」し周囲と「共有」する体験を提供することを通じて、子どもの社会参加を促すことを目的とするプロジェクトです。2006年、パキスタン大地震発生から約1年後に実施されて以来、これまでに、リベリア、ルワンダ、マダガスカル、南アフリカ、エチオピア、マリなどの国々で実施されてきました。

3月11日に発生した東日本大震災は、東北の被災地の子どもたちにも大きな影響を与えました。発生から9ヵ月が過ぎた今も、元あった「日常」を回復するための支援が必要とされています。こうした中、子どもたち自身が、震災を振り返り、地域の復興を考える機会をつくる取り組みが、NPOやボランティアの方々によって進められています。私たちも、こうした支援の一環として、今回、20年以上にわたってユニセフの写真を撮り続け、「EYE

SEE」プロジェクトでも第一回目から子どもたちの指導にあたっているイタリア人写真家のジャコモ・ピロツィさんを招聘し、このプロジェクトを実施しました。

© UNICEF/Japan 2011/Kaoru Sano© UNICEF/Japan 2011/Giacomo Pirozzi
瓦礫瓦礫を撮影する女の子

ワークショップ初日、子どもたちは、瓦礫の風景を多く撮影しました。やはりここが出発点でした。

「以前遊んでいた場所だったのにこんなになっちゃった」とか、「悲しい」といった言葉が、キャプションと呼ばれる撮影した写真の説明文にも使われました。

© UNICEF/Japan 2011/Juri Fujiwara
はらがま市でたこ焼きを焼くお母さん

しかし、「ここで止まらないように、過去だけでなく今を写そう」とジャコモさんに促された子どもたち。福島県相馬市では、相馬の「今」を撮影できる場所として、子どもたちは、以前の場所で商売ができなくなった方々が毎週末開いている市場を選びました。この写真の「たこ焼き屋」さんのお母さんは、撮影した子どもの友達のお母さんだったようです。たこ焼きを焼く手を止めずに、撮影に来た子どもたちといろいろな話しをしてくれていましたが、これまでのご苦労などを思い出されたのでしょうか、一瞬涙を浮かべる瞬間もありました。でも、「がんばらないとね」とおっしゃりながら、子どもたちに笑顔を見せていらっしゃいました。

子どもたちは、このお母さんの姿を撮影した写真に、次のようなキャプションを付けてくれました。

「もともと浜の方で生産会社をしていたそうですが、津波によって仕事を失ってしまったそうです。自宅も被害にあわれて、近々とりこわしを考えているそうです。」

「お仕事中もお客さんとの会話を続けています。この震災で相馬は明るく、絆も深くなったと思います」

最初、子どもたちは、「知り合いのお母さん」くらいにしか思っていなかったかもしれません。しかし、身近な方から改めて震災の話を聞き、自らを奮い立たせている姿を見て、何かを深く感じている様子でした。

© UNICEF/Japan 2011/Toshinori Sano
営業を再開したガソリンスタンドのご夫婦

こちらの写真は、岩手県の大槌町で撮影されたもの。営業を再開したガソリンスタンドの前に立っているのは、撮影した子どものクラスメートのご両親です。「大槌の今やこれからを表す時に誰を撮りたい?」という私たちの問いかけに、子どもたちが「ガソリンスタンドのおじさん!」と言い出して撮影に向かいました。

撮影した子がこの写真に付けたキャプションは、「もとの町に戻るために、今がんばる。それが復興につながる」という、ご夫妻の言葉でした。

「仕事を再開してどうですか?」という子どもたちの質問に、お父さんからは、「やっぱうれしいよね〜」という返事。
子どもたちは、「父ちゃん、かっこいいなぁ」という、感想とも歓声ともつかない言葉を連発しながら、ジャコモさんに促され、下から横から上から、いろいろなところから夫妻を撮影していました。こうしてがんばっている身近な人たちの様子を見たり話を聞くことから、子どもたちは確かに何かを感じ取っているようでした。

子どもたちは、家族の写真も沢山撮影しました。

© UNICEF/Japan 2011/Juri Fujiwara
津波の絵を描き続ける弟

福島県相馬市の中学三年生の女の子は、震災後、津波の絵を描き続ける年の離れた弟を被写体に選びました。この子は、実際に津波の現場を見てはいないそうです。なのに、テレビで見続けた様子を、今もこうして絵に描き続けていると言います。

「お絵描き中です。普通の小学生は"好きな車”とかそういうのを描くんでしょうね。」
「あの頃はテレビでどのチャンネルも津波ばっかりでした。あとは原発。楽しみにしていたプールも今年は、二回しか入れなかったんだよね。」
「手前の絵が一枚目に描いてくれた津波の絵です。この後も津波にのまれた家が燃えている絵を描いていました。こんなに小さい子が平然とこういう絵を描くんです。」
「衝撃が大きすぎました。知らなかった頃には戻れないもんね。」

彼女は、こんなキャプションを付けてくれました。かわいい弟を撮りたいという気持ちと、直面している複雑な現実に対する思いが絡み合っていたのではないでしょうか。

© UNICEF/Japan 2011/Juri Fujiwara

原発事故があった福島では、複雑な状況の中で、子どもたちも自分達なりの視点を持って、問題を捉えていたようです。除染で除去された土や放射線測定の様子など、直接的な表現だけでなく、近所に咲く植物を撮影した一見なにげない写真に、「ここにも放射能があるのかな」「放射能なんて関係ないように咲いた」というようなコメントを添えたりして、放射能への不安に揺れ動く心情を表現した作品もあります。

子どもたちが撮影した写真を見て、ジャコモさんは、「とてもパワフルだ!」という言葉を何度も何度も発していました。子どもたちは、震災がもたらした様々なリアリティを、そのまま受け止めているようです。「何を表現したかったのか?」とか、「どういう意味なのか?」などの質問をしても、クリアな回答はなかなか出てきません。彼らの中にも、まだ明確な「答え」は無いのでしょう。だからこそ、私たち自身が、彼らが撮影した「写真」そのものを、子どもたちの「目」になってそのまま見つめること、感じ取ること、そして子どもたちの声を聞き、感じ取ることがとても大切なのだと思います。

© UNICEF/Japan 2011/Giacomo Pirozzi
撮影中の子どもたち

私たちは、今回子どもたちが撮影してくれた写真を、ホームページや国内各地、そしてニューヨークのユニセフ本部で開催する写真展などを通じて紹介してまいります。

東日本大震災の支援活動に取り組む事を決めた時、私たちの頭の中には、ユニセフの中で共有されている「Build Back Better」という言葉がありました。「元あった状態よりも良くする」こと。これは、元々多くの子どもたちが予防可能な病気で命を失い、学校に行けない子どもたちが多い開発途上国で発生した自然災害や紛争にユニセフが対応する時、緊急支援活動をきっかけに、元あった状況よりも良くしていこう、そのための取り組みを応援してゆこうという考え方です。

被災地の多くは、震災前から他の地域より経済的に厳しい状況にあり、少子高齢化が進み、若い世代の流出も続いていました。子どもたち、特に、未就学の子どもたちや子育てのための社会的なサービスは、心細い状況だったのです。そこを襲った今回の大震災。子どもたちや子育てを支える環境が、以前より更に深刻な状況に陥ってしまったことは説明を要しないでしょう。

「子どもたちに優しい街」、子どもを生み育てやすい街は、子どもたちだけではなく、全ての年齢の人にとって優しい街であるはずです。

被災地の復興が、子どもたちに優しい形で実現するよう、被災地の子どもたちが発している声に、是非耳を傾けていただければと思います。

※この内容は、12月20日のNHK教育「視点論点」で菊川穣東日本緊急支援本部プログラムコーディネーターが報告しました。

ジャコモ・ピロッツィ氏特別講演会と東日本大震災支援活動報告はこちらから »

6ヵ月レポートはこちらからご覧いただけます »

 

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