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東日本大震災緊急募金 第42報
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© 日本ユニセフ協会 |
震災の発生から間もなく6週間。被災地の子どもたちが新学期を迎え、被災地で復興に向けた様々な活動が本格化する中、日本ユニセフ協会は、「子どもたちに優しい復興」の実現に向けた9月末までの計画を作成。本日(26日)、その概要を発表しました。本日付の緊急支援活動計画はこちらをご覧ください。
東京のユニセフハウスで開かれた記者会見には、3月19日から、宮城県内での支援活動を指揮してきたユニセフ・ソマリア事務所から応援派遣された日本人専門家の國井修医師や、今月12日から15日に掛け、宮城県内で甚大な被害を受けた沿岸部の被災地域を訪問したアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使も参加し、被災地の様子を報告しました。
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震災の翌日、日本ユニセフ協会は、この未曾有の大災害に対し支援を行うことを決定しました。通常は開発途上国のための支援活動をしている我々にとって異例のことではありましたが、直ちに資金を調達し、支援活動の準備を始めました。宮城、岩手に拠点を設置し、0歳から中学生くらいまでの子どもたちを対象に、学用品やレクリエーションキット、小児科医や保健師の方々が子どもたちの元を回るための車両などといった支援が速やかに開始されました。こうしたことが可能だったのは、我々の決定を受けユニセフ本部が緊急支援の経験に長けた日本人スタッフを派遣してくれたこと、また現地ではこれまでも協力関係にあった生協やイオンといった大きな組織から力強い協力を得られたことが非常に大きいと思います。
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被災した皆さんと会い、子どもたちそして子どもたちと共にいるお母さんや先生方の声を聞くために訪ねた被災地。それはこれまで私が見てきた様々な困難な状況を上回るかと思われる惨状でした。たくさんの尊い命が、人々の生活が、歴史が津波によって奪われました。
避難所の生活はとても過酷です。もうこれ以上「がんばって」などという言葉はかけられないほど、皆さん頑張っていらっしゃいました。「生きていてくれてありがとう」と声をかけると、私に抱きつき、泣きながら色々な話をしてくれました。ある避難所で出会った兄弟は、お母さんと妹さんが津波に流されたといいます。中学生のお兄さんは、一生懸命新聞の死亡者欄を見ていました。行方不明の友だちを探しているのだと言います。「欲しいものはない?」と聞いてみると、そばの方から「欲しいのはお母さんよね」との声が。するとあまり表情を変えなかったその顔が、泣きそうにゆがみました。そういった子どもたちが本当にたくさんいます。
街がすっかり流された南三陸町では、お母さん方から子どもたちの栄養状態が心配、学校が始まっても必要なものが揃わない、といった深刻な悩みをたくさん聞きました。私も何度も訪れたことのある気仙沼では、活気にあふれていた港が全壊している様子に、涙が止まりませんでした。
現地を視察してとても強く思ったのは、まだまだ支援に格差があること。どこの避難所にいるか、避難所にいるか自宅にいるかなどで受けられる支援が変わってしまいます。それによって子どもの状況も変わります。できるだけ、支援の届きにくいところに支援をしていきたいと思います。また、学校の再開も大切です。再開に向けて必要なものを支援していかなければなりません。学校に戻ることは日常に戻ること。子どもの心のケアにとっても重要ですが、子どもが集まれば格差も顕著になります。支援を受けられている子、いない子、親や家を失った子、親と共に自宅で暮らせている子、十分な食事を得られている子、そうでない子・・・。そういった格差をなくすために、子どもたちや子どもたちのケアをしている方々に寄り添い、全力で支援したいと思います。子どもたちに関わることで何か困った事があったら、どんなことでも、是非、私たちに伝えていただければと思います。私たちが出来ることには、もちろん限りがあります。でも、私たちができなくても、私たちのパートナーの方々が出来ることも沢山あります。被災地の自治体のみなさま、現地で活動されている方々、そして被災された方々と力を合わせて取り組んでまいります。
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震災の4日後の15日に現場に入りました。被災した方々への緊急の生活物資を届ける一方で、大きなストレスを抱えた子どもたちへのおもちゃなどと支援も提案し、大変喜ばれました。こうしたことは水や食料に比べ後回しにされがちですが、身近な大人が話を聞いてあげたり、遊んであげたりといった活動が子どもたちのトラウマを回避するとても有効な手段であることを、ユニセフはこれまでの経験から学んでいます。今回も、子どもたちの声を聞き、子どもたちの声に基づいた活動が出来るよう努力していきたいと思います。
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震災から時間が経ち、学校が再開されたり生活の復興が進む中で、現地のニーズは変わってきています。そうしたニーズに対応する形で支援を継続していきます。
震災が起こったのが3月という年度の変わり目にあたっていたため、当初はどうやって新学期を迎えるかということが教育の分野では大きな課題でした。ユニセフは2万人を超える子どもたちに当座必要な文具や学用品を提供すると同時に先生たちが必要とする機材などを支援しました。今後はさらに学校生活で必要な体操着や上履きといった支援などにも対応していかなければなりません。
また学校に比べ支援が限られている未就学児への支援ニーズも高く、学校と同様に幼稚園・保育所の再開の支援、特に子どもたちに優しい施設の建設の準備も進めています。
さらに早急に対応しなければならない問題のひとつが栄養です。避難生活を送る子どもたちは、成長に必要な栄養が十分にとれていない状況です。栄養実態の調査は給食の復旧など、行政と連携しながら支援を行っていきます。
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私はこれまでのスマトラの津波、ミャンマーのサイクロン、バングラデシュなど大きな水害の現場で活動をしてきましたが、この震災の現場では言葉を失いました。先進国である日本の町が壊滅し、現地では今でも遺体が見つかる状況です。
ユニセフの強みは、現場での力です。刻々と変わっていくニーズに応えるため、必要なものを早急に送る必要がある。そのために何度も現場に足を運んできました。いま大きな問題となっているのが、支援とニーズのマッチングです。きちんと調査をして、必要なところに必要な支援をしていく努力が必要です。例えば私たちは子ども栄養状態やどこに支援から取り残されている子どもや母親がいるのかを把握するために、県や市町などによる避難所や被災地域のアセスメント、ローラー作戦による調査などを積極的に支援しました。幼稚園や保育所の再建も日本では後回しにされがちですが、集まって遊ぶことは子どもたちの心のケアとして重要ですし、子どもたちを預けられれば被災したお母さん方は休んだり片づけをしたりできます。そうした他の人たちには出来ない部分を引き受けていく、子どもたちやお母さんたちの小さな声を拾っていくのが私たちの使命だと感じでいます。
支援先 (県別) |
支援物資 | 到着日 | 数量 | 寄贈企業 | 備考 |
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宮城 | 水 | 3月19日 | 12,288本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
福島 | 水 | 3月22日 | 12,672本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | 男児・女児用下着 | 3月22日 | 20万枚 | ||
岩手 | 男児・女児用下着 | 3月23日 | 3万枚 | ||
福島 | 水 | 3月23日 | 4680本 | キリンMCダノンウォーターズ(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | 子ども用靴 | 3月23日 | 10000足 | ||
宮城 | 子ども用おむつ | 3月24日 | 80パック | P&G | |
岩手 | 子ども用下着 | 3月24日 | 9700枚 | ||
福島 | 水 | 3月24日 | 12,288本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
岩手 | 靴 | 3月26日 | 1404足 | アキレス(株) | |
岩手 | 男児・女児用下着 | 3月27日 | 28,266枚 | ||
岩手 | 長靴 | 3月27日 | 7462足 | ||
岩手 | お尻ふき | 3月28日 | 1200個 | P&G | 赤ちゃん用 |
宮城 | レクリエーションキット 「箱の中の幼稚園」 |
4月2日 | 各50 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
岩手 | レクリエーションキット 「箱の中の幼稚園」 |
4月2日 | 各50 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
宮城 | ランドセル | 4月6日 | 70個 | 日本ニューバッグチェーン | |
岩手 | ランドセル | 4月6日 -7日 |
340個 | セイバン | |
宮城 | 学校用かばん | 4月8日 | 18,000個 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
岩手 | 学校用かばん | 4月8日 | 18,000個 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
宮城 | 防犯ブザー | 4月8日 | 5,000個 | ||
岩手 | 防犯ブザー | 4月8日 | 5,000個 | ||
福島 | 水 | 4月11日 | 1536本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | レクリエーションキット 補充素材 |
4月12日 | 60セット | ||
宮城 | ミニカー | 4月12日 | 約1200 | タカラトミー | |
相模原* | 水 | 4月12日 | 12288本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | プレイマット | 4月13日 | 2種 各80枚 |
IKEA | |
宮城 | お絵かきセット | 4月13日 | 60セット | IKEA | |
岩手 | いす(3〜5歳) | 4月14日 | 75脚 | ||
岩手 | テーブル(6人かけ) | 4月14日 | 11台 | ||
岩手 | 座卓 | 4月14日 | 9台 | ||
岩手 | 小・中学生用ノート・文具セット | 4月15日 | (16,700セット) | ||
宮城 | PC183台 | 4月18 -21日 |
(61ヶ所×3台) | 被災した各幼・小・中・高と移転先に配布 | |
宮城 | コピー・FAX複合機 | 4月18 -21日 |
57台 | 被災した各幼・小・中・高と移転先に配布 | |
宮城 | プリンター | 4月18 -21日 |
61台 | 被災した各幼・小・中・高と移転先に配布 |
*被災者受け入れ場所
※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。
2011年4月20日午前9時現在 (広報室まとめ)