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東日本大震災緊急募金 第113報
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© UNICEF CAR/2011 |
日本のお友だちに励ましの手紙を書く中央アフリカの子どもたち。 |
10月4日、福島県南相馬市鹿島小学校に、中央アフリカ共和国からの手紙を届けました。今回は、先月までユニセフ・中央アフリカ共和国事務所でモニタリング・エバリュエーション オフィサーとして活躍し、今月下旬からユニセフ・アフガニスタン事務所へ派遣予定で一時帰国中の松永惠津子さんと一緒に手紙を届けました。松永さんは、3月11日の震災後、中央アフリカ共和国の子どもたちからの励ましの手紙を集め、日本の子どもたちのために送ってくださいました。
震災後、南相馬市内にあった22の小・中学校は4つに統合されました。鹿島小学校は、受け入れ側となった4校のうちの一つで、各階に各小学校が設置されています。約200人だった児童数は、現在約1,000人。この子どもたちが1つの校舎で勉強しています。校庭にも仮設の教室が設置された関係で、外で体育の授業をすることもできません。
そんな環境にいる子どもたちですが、日本ユニセフ協会のスタッフが教室に入っていくと、子どもたちはみんな笑顔で迎えてくれました。
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ユニセフ職員の松永惠津子さん。 |
「中央アフリカ共和国はどこにあるかわかりますか?」という最初の質問に、みんな元気よく手を上げてくれました。「中央だからここかな?」と、前に出てきて地図から正解を探し当てた男の子には、中央アフリカ共和国の公用語の1つであるフランス語で書かれた絵本がプレゼントされました。
また、子どもたちは中央アフリカ共和国の産業、文化、言葉、タピオカの原料であるキャッサバというアフリカの食べ物などについてもたくさん学びました。松永さんが今回着ていらしたアフリカの伝統的な衣装も、中央アフリカ共和国の主要産業であるコットンで作られたものでした。また、家具や置物などに使われる強く綺麗な木材である黒檀もとれます。しかしその様な豊かな天然資源があるにも関わらず、10人におよそ6人は、1日1.25米ドル未満で生活し、10人におよそ4人の5歳未満の子どもたちが、慢性的な低栄養の指標でもある発育阻害に陥っています。また、はしかや、汚い水を飲むことで亡くなってしまう子どもたちもいます。子どもたちは、「日本には予防接種があるし、きれいな水があるから自分たちは重い病気にかからないんだな」「1日約100円くらいで、一体何が買えるかな」と、改めて考えたようでした。また、女の子が学校に通えなく理由の一つである早婚の話を聞き、11歳で結婚して13歳で赤ちゃんがいる同年代のアフリカの子どもたちの話に、驚きを隠せないようでした。
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また、「世界中の人々が日本を大好きで、がんばってと応援してくれています。日本も震災で大変だけれども、日本も世界のみんなを助けたい。小学校がないところには小学校を建てなければいけないし、困った時はお互い様です。日本政府は、中央アフリカ共和国に小学校を建設しています。日本で作る建物はすごいです。中央アフリカ共和国のみんなは、『あの学校に行きたい!』と言って、いつも日本にありがとうと言っています。」という松永さんの話を聞くと、子どもたちはとても誇らしげな様子でした。
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動物などのたくさんの写真をまじえた松永さんのお話から色々学んだあと、早速、中央アフリカ共和国の子どもたちからの手紙を手渡しました。中央アフリカ共和国からの手紙のほとんどにカラフルに彩られたお花の絵が描いてありました。子どもたちは、初めて見る種類のお花の絵に、「可愛い! 何の花かな?」と、とても嬉しそうに話していました。
お返事には、絵を描いたり折り紙でかぶとを折ったり、感謝の気持ちをたくさん込めました。最後に松永さんから鹿島小学校の子どもたちに次のような言葉が贈られました。
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「最後になりましたが、みんなと出会えて嬉しいです。みんな色々な将来の夢があると思いますが、どこかでまた会える気がします。世界はどんどん小さくなっていますから。私がみんなと会えたのは今日が初めてだけれども、これからも未来はずっと続いていくと思うのでこれからもずっと友だちでいてください。どこかで、また一緒に仕事とかできるかもしれませんね。ありがとうございました。」
帰り際、校長先生は覚えたばかりの中央アフリカ共和国の言葉、サンゴ語「シンギラ ミンギ(本当にありがとうという意味)」も使って、何回もお礼を言ってくださいました。