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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第13報
「箱の中の幼稚園」、石巻の子どもたちに

【2011年3月25日 石巻発】

© 日本ユニセフ協会
宮城県石巻市の避難所に届けられた「箱の中の幼稚園」とレクリエーションキットで遊ぶ子どもたちと井本直歩子さん(右)。

23日午後、ユニセフ物資供給センター(コペンハーゲン)からの支援物資第一便として成田空港に到着したユニセフの「箱の中の幼稚園」とレクリエーションキットが、25日(金)午後、宮城県石巻市の市立蛇田中学校に設置された避難所の子どもたちに届けられました。

蛇田中学校での避難生活を強いられている方々は、約590人。うち、50人ほどが子どもたちです。自身で和訳したユニセフのマニュアルなどを使い、集まった先生方やボランティアの方々、そして子どもたちに支援キットの使い方を説明したのは、今朝宮城県入りしたばかりのユニセフの教育支援専門家、井本直歩子さん。

内戦のスリランカでの勤務の後、昨年1月の大地震やハリケーンなどで壊滅的な被害を受け、現在もその傷跡が深く残るハイチで働いている井本さん。そんな彼女の目にも、被災地の状況は過酷に映りました。

「テレビや新聞で見てはいましたが、被災地の状況は、想像を絶する過酷さです。」

「でも、避難所の子どもたちは、本当に元気でした。『箱の中の幼稚園』のジェラルミントランクの蓋を開けて、中のものを見せたときの子どもたちの表情といったら!本当にこういう支援を待っていたんだと思いました。」(井本さん)

水や食糧と同様に必要な支援

自然災害などの被災地では、子どもたちがストレスや恐怖を心の中に抱えてしまうことが多く、心理社会的な支援(心のケア)が重要です。ユニセフは、世界各地のこうした現場で、水や衛生、予防接種などによる感染症対策などの緊急支援と並行して、子どもたちの「心のケア」のために、学校や幼稚園活動の再開、そして子どもたちの「仕事」でもある「遊び」の機会を確保することも優先課題のひとつとして取り組んでいます。

その中で重要な役割を果たすのが、今回、石巻の子どもたちに届けられた、箱(ジェラルミンのケース)を開ければ、どんな場所でも幼稚園・保育園活動ができるよう、約50人分の知育教育玩具をセットにした「箱の中の幼稚園」と、約90人分のスポーツ用品やぬいぐるみなどの玩具をセットにしたレクリエーションキット、そして、40人分の教材がセットになった「箱の中の学校」です。

石巻での今回の活動は、ユニセフが通常開発途上国の現場で使っているこれらのキットの内容が、被災地の現状やニーズに適しているか否かを、実際に使われる先生方や子どもたち自身に評価していただくことを目的として実施しました。日本ユニセフ協会では、今後数箇所で実施するこうした活動と並行して、キット内容の見直しや、キットの配布を軸とした支援計画をまとめています。

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚  
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚  
福島 3月23日 4680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9700枚  
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年3月25日午前9時現在 (広報室まとめ)